園を私物化している園長のもとで働く

  • 2019.10.19 Saturday
  • 18:47

〔質問のしかた〕

どこの「コメント」欄でもかまいません、開いて、ペンネームと質問をお書きください。その後、「コメント送信」を押してください。「コメント送信」を押してもコメントは表示されません。掛札だけが裏で質問を読みますので、質問そのものが表示されることはありません。他の人の質問に対するコメントは、表示してよいと判断したものだけ表示させます。現在、1か月分ぐらい、お返事が遅れております…。ごめんなさい。)

 

 

(はまゆげ先生、コメントありがとうございます・下。被害がなくてよかったです!)

 

 22日にお尋ねくださった東京のTAN先生へ。内容はここに一切書けませんが、はっきり言います。お書きになっている内容をすべて自治体の保育課に伝えて、「園長をきちんと指導してください」と伝えましょう。そして、先生は辞めてください。そして、園長が

 

 「保護者のほうを見て、クレームを減らしたいだけの」「一方で、熱中症や食中毒のリスクも理解しようとせず」「ただ、自分がしたいからというだけで、必要な処理すらしない食べ物も子どもに出していいと言う」ような人であることに問題を感じている職員が他にいるなら、その方たちも一緒に辞めてください。

 

 その園にいるのは、先生の努力の無駄遣いです。これまで起きたもの以上の大きな事故が起きるかもしれませんし、起きないかもしれません。こればかりはわかりませんが、結局、「死なないとわからないような園長」なのですから、ごめんなさい、どうしようもありません。先生のスキルと知識は、別の園で活かしてください。

 

 保育課の指導係の先生たちに無視されたら、また、ここにお知らせください。

 

掛札

オムツ替えの方法について(マットの消毒?)

  • 2019.10.14 Monday
  • 08:58

 皆さん、台風は大丈夫でしたか? はまゆげ先生、避難、大変でしたね…。ご自宅に戻れましたでしょうか。(下のスレッドのコメント)

 

 さて、時節柄、感染症がひろがるのを防ぐのはとても大事なので、保育園Ns.さんのお尋ねを先に。並木由美江先生がすぐにお返事をくださいました。ありがとうございます。

 並木先生のお答え以外にも、皆さんの工夫をお知らせください! 
 (次は、9月22日にいただいたお尋ねです。)

 

ーーー質問ーーー
 もうすぐ嘔吐下痢の流行の季節ですが、オムツ替えシートの消毒を皆さんの園では、どのように対応しているのかが知りたいです。私のところでは「お尻がシートに直接ついたら、ピューラックス溶液に浸して絞った布で拭く」となっています。これについて、はっきり、「めんどくさい」と言ってくれた先生がいます。
 必要な作業とはいえ、一度に10〜20人のオムツを替えていれば、お尻がつく機会は何回もあります。見ていると、お尻がついた後の対応は先生によってまったく違います。そんな中で「めんどくさい」と勇気を持って声をあげてくださった先生がいることは、改革のチャンスだと感じています。
 コストがかかる方法は上から許可がおりないので、最低限のコストでてきる方法、かつ保育者が「めんどくさい」と感じない方法を模索中です。

 アルコール入りのウエットティッシュで拭いたらダメか?とも聞かれたので、以前使っていた物はアルコール入りといっても濃度が低い(安い)物だし、そもそもアルコールはノロウイルスやアデノウイルスには効かないとお伝えしました。
 他の園の皆さんの対応を知り、流行前に色々試して、より良い方法でやっていきたいと考えています。よろしくお願いいたしますm(_ _)m 

 

ーーー回答ーーー
 並木先生のお答えです。全国保育園保健師看護師連絡会のDVD『保育園における感染症対策』にも入っているそうなのですが、このDVDは現在、品切れ、再度制作準備中だそうです。

 

(以下、並木由美江先生)
 オムツ交換の流れは、★尿の場合★、まずズボンを脱がせたら、汚れたオムツをつけている状態で新しいオムツをお尻の下に敷き込み、汚れたオムツを内側に丸めるようにはずします。お尻は新しいオムツの上に乗ってる状態になりますから、そのままオムツをあててテープで止めれば交換終了。あばれてしまわない限り、シートにお尻を乗せることはないと思います。

 

 でも、学生などに、何も言わないで「オムツ交換してください」と言ったら、ほぼ全員が汚れたオムツをパッと取って、お尻は一度シートに触れます、そして新しいオムツをヨイショと差し入れていました。そうではなくて、最初に新しいのを差し入れておくことで、シートにお尻も触れず、スムーズに清潔に交換できますね。

 

★排便の場合★は、DVD(現在品切れ・制作準備中)でも紹介してるように、新しいオムツを防水紙(※)ではさんでから、排尿時と同じようにしてお尻の下に敷き込みます。汚れたオムツと新しいオムツの間にある防水紙で、汚れたオムツを包みます。排便の場合は、お尻がシートに触れてなくても、使用後は次亜塩素酸ナトリウム希釈液を雑巾などに浸したもので消毒します。

 

 こうすれば、排便の時と、排尿でお尻がついてしまった時だけの消毒ですみますから回数はそれほどではないかと思いますが、いかがでしょう?

 

(※)防水紙とは、ツルツルした光沢紙面の広告紙や、生協等の光沢のある製品案内紙です。予算があればペット用シートなども使えます。私は生協を使っている職員に協力していただいて、ゼロ円ですませてました。なお、新聞紙では防水効果無しなので感染防止にはなりません。

 

…だそうです。並木先生、ありがとうございます。「防水紙ってなに? 高いんですか?」と思わず聞いてしまった掛札に、ちゃんとお答えくださってありがとうございます!

 

緊急:日曜日、月曜日(祝)の出勤について

  • 2019.10.12 Saturday
  • 12:05

うさぎNSさんから、

「週明けの平日に延期になった運動会のため、明日日曜日、職員が集まって打ち合わせをすることになりました」

とのこと。

現状からすると、あちこちで洪水や停電などの被害が出ます。電車は日曜日の昼まで動きません。打ち合わせをできるとは思いませんが…。それぞれの家庭(保育士)が被害対応をしなければいけない明日や月曜日に打ち合わせというのは、ありえないと私は思います。「無理です。行けません」ではダメですか?

 

跳び箱について

  • 2019.10.08 Tuesday
  • 22:25

 では、LISKO先生のお尋ねです。


 運動会での組体操の危険は少しずつ共通認識が出来てきたと思うのですが、飛び箱はどうでしょうか? そもそも子どもにとって、練習させられてできるようになることはすごいことではないです。危険が伴うことも頑張らせる保育に疑問を持つのは私だけでしょうか?

ーーー

 お答えというよりは、掛札の個人的意見ですが。

 

 跳び箱はじめ、「体育」と言われるものがすべて限りなく嫌いだった元・子どもとしては、「その通り!」と言いたいところですが、今の趣味が筋トレという私にとっては、悩むところでもあります…。

 

 まず。LISKO先生、ちょっと考えてみてください。組体操、鉄棒、雲梯、ジャングルジム、跳び箱は、それぞれリスクが違います。どう違いますか?

 

 

 


 組体操(人が積み重なるもの)は、下の人が巻き添えになるリスクがあります。他の4つには、まずそれがない(もちろん、遊ばせ方がへたなら誰でも巻き添えになりますが)。次。鉄棒、雲梯は、そこにつかまることができない子どもには、ほぼリスクがない。跳び箱も「跳ぶ」という行動の練習が必要。ジャングルジムは一段のぼれたら上まで行けてしまう。私は、組体操(巻き添え)、ジャングルジム(一段=一番上=落ちたら死ぬ可能性)は危険だと言います。でも、ジャングルジムも外側に子どもがいるぶんには、おとながつくことができる。鉄棒も雲梯もつくことができ、落ちそうならおとなが手を出せる。跳び箱は、練習中、横につくことはできるけれども、実際、「跳ぶ」となったら横についているわけにはいかない。だから、落ちる時は落ちる。鉄棒も雲梯も落ちる時は落ちるけれども、跳び箱と比べれば「横についている」ことができる可能性も高い。

 

 このように考えると、確かに跳び箱は危険です。じゃあ、跳び箱をやめるか。そうなったら、鉄棒も雲梯もやめるっていう話になっていくような気がします。運動嫌いだった元・子どもとしては、「跳び箱なんてないほうがいい!」と思いますが、指導者つきで筋トレをしていると、「あの時、教え方がもっとうまかったら、私も体育嫌いにならなかったかも」「私もできたかも」と思ったりもするのです。

 

 なにより、こちら(『ぜんほきょう』の記事)に書いた通り(「安全」6-1「コミュニケーション」のA-1にも別の見方で書いてありますが)、ケガの程度は、そこに至るできごとの良し悪しとはほぼ無関係なのです。ずっと、すいすい、跳び箱5段を跳べていた年長さんが、ある日、手をすべらせて落ちて骨折するかもしれない。一方、私は小学校でもぎりぎり4段しか跳べなかったへたくそだったけれども、体育でケガをしたことは一度もない。

 

 『ぜんほきょう』に書いた通り、人間、かすかな段差でつまずいて頭を打つことも、腕の骨を折ることもあるわけで、二本足で歩き、とんだりはねたりしている以上、ケガ自体を恐れていたら、どうしようもない。特に子どもは、です。

やりたくない子、できない子にむりやり活動をさせるのは危険ですし、本人が恐れているからリスクも上がるでしょう。でも、子どもの「やってみたい」「できるようになった」は大事じゃないかと。LISKO先生がおっしゃっている「頑張らせる保育」は、たぶん、「やりたくない子」「できない子」にむりやり…のほうをおっしゃっているのかなと思いますが。

 

 いかがでしょ?

台風の話題ふたたび

  • 2019.10.06 Sunday
  • 11:15

 はな先生、はまっこ先生、台風の季節が終わりそうなのに、遅くなってしまってごめんなさい!(昨日、19号が発生しましたけど…。) 今月末、韓国にシンポジウムで行くのですが、提出する資料が「最初の話と違うじゃないか!」な量だったため(そのうえ英語…)、いろいろ遅れまくりました。

 

 次は9月14日のLISKO先生のご質問にお答えします。私のつたない回答に「役立った」とおっしゃってくださった先生方、ありがとうございます! 保育園Nsさん、ご質問の件、並木先生に「めんどくさくない方法」をお尋ねしています。

 

 では、お2人の声から。 
(はな先生)
 幼稚園、小中学校は休校、場合により会社もお休みになるのに、保育園は「危険のないように」みたいな掲示や連絡で協力を求めるだけ! 保育園こそ事前にはっきりお休みを示してほしい、行政側から。小さな子を連れて園に向かうのもおかしい。働く職員も交通機関が止まれば勤務できない,行けないという罪悪感につながります。
 台風の季節になるとドキドキします。いかがでしょうか?

(はまっこ先生)
 Twitterで、停電中の保育園で働く保育士のつぶやきを読み、自分がその立場だったらと、とても不安になりました。保護者と子どもを少しでも助けてあげたいという思いと、熱中症の不安、自分自身ふらふらの状況での保育で事故が起きないかなど、頭の中でぐるぐるしてしまいました。この思いを今現在している保育士さんがいることに胸が痛みます。
 もうひとつ、断水の場合についてもアドバイス頂きたいです。

ーーー

 なんてお答えしようか、むちゃくちゃ悩みましたが…。保育園が「福祉」の枠組みの中で運営されている以上、枠組みとしては「開所してください」になります。こればかりはどうしようもありません。トップページ下「最新情報と大切な情報」の中室さんの記事(日経。今は上から3つめ)の最初のグラフにある通り、保育園に子どもを預けている保護者の大半は、今、「(少なくとも経済的には)福祉を必要としない人たち」なのですが、法律的な位置づけはいまだ、「保育園=福祉」です。

 

 ただ、8-1に書いた京都市の事例の通り、自治体も変わってきています。無理に「開所しろ」と言って人的被害が出たら自治体にも責任が生じかねないからです。特に、日本列島の西半分は、昨年、複数回起きた気象災害で態度がかなり変わったようです。最も公共的なサービスである鉄道がきっぱり「動きません」と言うようになったから、というのは大きいと思います(鉄道で通勤している人はとても少なくとも)。

 

 日本列島の東半分、特に関東周辺が台風の大きな被害に遭ったのは、今回の台風がほぼ初めてです。そして、今回は、予防的対応も遅れ(鉄道は中途半端に運休して状態を悪化させた。職場は「通勤は自己責任で」的な呼びかけ=「出勤しろ」)、被害把握も遅れ、その後の対応も遅れ、さんざんでした。

 

 次の台風害、水害が起これば、状況は変わるでしょう。災害対応に関しては、この文化はそれなりに学ぶので。特に、自治体や企業は自分たちの責任を避けようとします。鉄道が普通に一日全面運休するようになれば、関東周辺は「保育者も出勤できません」と言うことができます。

 

 今回の千葉県や神奈川県の被害をもとにして、(8-3に書いた通り)「広い地域で停電や断水の可能性があります。保育者も出勤が困難です。安全に保育をできる状況にはありませんので、登園を見合わせることをお勧めします」と言うしかないでしょう。ここではっきり、「安全に保育をできる状況にはない」と明言すべきです(8-3に書き加えました)。

 

 はまっこ先生が断水についてお尋ねですが、断水だけでなく、停電(エアコンが使えない)、雨漏りなどすべて、要するに保育者が保育に専念できない状況を生む被害が生じた時には、一斉メールで「〜のような状況です。保育に専念して安全を確保できる状態にありません」と伝えることが肝要かと…。むろん、「安全に保育をできない」と言っても登園する保護者はいるでしょう。でも、「こういうリスクがあります」と言っておいたかどうかは、万一、深刻事象が起きた時の説明として不可欠です。

 

 そして、先生方が不安を感じるのは当然です。「なにがなんでも、保護者のためにうちの園は保育します!」と言える人たちのほうが、心理学的には不思議です。災害は自分の命にも影響を与える危険性があるのに、その恐怖を無視できる人たちなのですから、生き物として不思議(自治体や法人/企業本部が「開所しろ」と言うのは、そもそも他人ごとなので当然)。

 

 数年前と確実に違うのは、今回のような被害がこれからは増えるという点です。となれば、「とにかく開所!」は変わるはずです。人的被害が出る前に変わってほしいところですが…。

 

 さて、お答えになっているかどうか…。

降園時の園庭遊びについて

  • 2019.09.23 Monday
  • 17:50

X先生とクマ先生からお返事をいただいたので、(お返事の内容は出さずに)私のお返事を書きました。2つ下、8月24日の投稿分です。一つ下にもコメント、ありがとうございます。お返事しました。

 

(これで8月末までにいただいた質問、コメントにはお答えし終わりました! 今日の時点であと4つ、お尋ねをいただいていて、うち2つは台風関係。台風に関しては9月15日に加筆したこちらもお読みください。)
ーーー

 

 そして、Kasu先生からのお尋ねです。夕方の時間、16〜17時の延長保育を外ですることについて、どうか?という内容。特に、「降園する子や保護者の把握が難しい」とのことです。

 

 降園する親子と、まだ保育中の子どもたちが園庭で混ざることのリスクですよね。その話だと思って書きます。書いていらっしゃる状況からすると、園庭で遊んでいる子どもたちと、降園する親子が混ざるように認識しました。とするなら、危険です。

 

1)保護者対応をしている職員は、他の子どもを見ることができない。でも、園庭にいるから「見ているつもり」になる。危険。

2)保護者が園庭にいるのだから見ているだろう、になる。実際には、皆さんご存知の通り、保護者は見ていないことが多い。危険。

3)帰る親子にくっついて出ていってしまう(他の)子どもがいる危険性が高い。

 

 昼食前や午睡後に遊んでいる時は、「遊んでいる子どもたち」だけですから、先生たちの注意の払い方は1種類で済みます。ここに「保護者がいる」という要因が加わり、注意の払い方が2種類必要になります。保護者との会話に没頭してしまうことも往々にしてあります。さらに、「降園時、自分の親がいることで保育時間中とは行動が異なる子どもがいる」ことによって、注意の払い方が3種類、必要になります。私は、この状況で園庭遊びさせることはお勧めしません。

 

 では、降園する親子は園庭とはまったく無関係な所を通る場合は? 降園が多い時間帯に園庭遊びをすることは、もともと私は賛成しません。職員が保護者対応をしていて、手をとられているからです。これは、登園時も同じです。先生方が、子どもの活動にのみ集中できる時間帯に園庭遊びをさせる、それだけでは不十分なのでしょうか。

 

 ちなみに、園庭で保護者が子どもを遊ばせていることもあります。これはいっそう危険です。これについては、「コミュニケーションのトピックス」のB−1に「送迎時に園庭で遊ばせない。安全は保護者の責任」があります。

警報翌日の園外保育 & 暑さについて

  • 2019.09.16 Monday
  • 14:14

マーちゃん先生、けい先生、tiny先生からのお尋ねです。たっきー先生、「ありがとう」コメント、ありがとうございます! これで、8月24日まで追いつきました。台風がらみのご質問が多いことに今、気づいたので、速攻、お返事を書きます! まずは下にもリンクを貼ってありますが、8−3(後半の加筆部分)、それに付随する8−1をお読みくださいませ〜。

 

まずは、マーちゃん先生からです。すごく遅くなってしまってごめんなさい! 

 

ーーお尋ねの要点は以下の通りですーー

 夏休み、年長児が園外施設に行き、山登りや沢登りをする。今年は前夜が大雨警報、土砂災害警戒情報、市内は避難勧告。でも、翌朝の天気予報は晴れで、実際に快晴。その施設からは「朝の時点で警報が出ていなければ大丈夫、朝の判断」と言われた。
 その翌日に合宿に連れていったのは、正解だったのか? 園の判断基準の一つに、「中止にしたら保護者からクレームが来る!」という点があり、その判断基準はおかしいと(掛札の講義から私は)確信していた。
 もちろん、沢登りも山歩きも変更して最低限の危険は施設の職員さんと相談して避けたが、結果オーライでよかったものなのか。

 

ーーお答えですーー

1)今回に関しては、施設側が「朝の時点で警報が出ていなければ大丈夫」と言った(=責任の一端を背負った)ので、まあ、それは良しとするべきかと。施設側が「ダメ」と言ったら、園も中止するでしょうし…(しないかな?? いや、すると思いたい…)。あ、施設側が「大丈夫」と言った、その記録は絶対に残しておくべきです。あとで「そんなこと、言ってません」と言われかねないので。

 

2)とはいえ、ここ数年の雨は過去のものとは違いますので、警戒情報が出ていなくても、増水や土砂崩れが起こるリスクはゼロではありません。川遊びをしなければ増水は関係ないかもしれませんが、土砂崩れはわかりません。

 

3)1も2も、最終的な判断基準にはなりませんね…。では、どうするか。鍵になるのは「中止にしたら保護者からクレームが来る!」という部分です。その通りです、わかります。でも、ここで重要なのは、常にこの逆を考えなければいけないという点です。ちょうど「8−3」を加筆したので、そこにもまたちょっと書き足しますが、これはすでに「1−2」の例5(最近加筆分)にも書いた内容です。人間は自分が責められたり、批判されたりするのがいやなのですが、その逆にいる「自分(たち)に同意する人たち」の存在は忘れがちです。
 つまり、保護者の中には、愛媛県西条市で起きた死亡事故のようなことを知っていて、「昨日があんなだったのに、川に行くんだ。心配…」という人がいるはずなのです。この人たちは当然、「きっと大丈夫だろう」という感情も持っているので、事前にわざわざ「今日、本当に行くんですか?」とは言わないでしょう(ただし、重大事故が起きたら、「心配」と思わなかった人たちも一緒になって「危ないと思っていた!」と言うはずです)。この「心配している保護者たち」を無視することはきわめて危険です。
 ですから、前日の段階で「施設はこのように言っており、晴れの予報ですから実施の予定でいますが、心配な親御さんのお子さんは園で過ごします。(お弁当はお持ちください。)」と掲示と一斉メールで伝えておくべきでしょう。もちろん、「右へならえ」のこの文化ですから、心配だと思っていても「うちの子は行かせません」と言う保護者は少ない(いない)でしょう。でも、「選択肢を出して、選んでもらった」ということにはなり、保護者も「園におまかせ」の態度を減らしていくかもしれません。
 発熱や体調不良であれ、災害であれ、保護者が自分で決められないのでは…です。保護者はいろいろな考えと要求を持っています。園にできることは、「できること」「できないこと」「すること」「しないこと」をきっちり切り分け、保護者に伝え、選択肢の範囲内で保護者に選ばせること、です。

 同じことは、暑い時期の「屋外活動カード」についても言えることです。「園の暑さ基準は緩すぎる、うちの子は出してほしくない」という保護者はいるのですから、その声を無視するのは危険です。
 いかがでしょうか。

 

ーーーー

 続いて、tiny先生とけい先生、コメント、ありがとうございます。お2人の内容がかなり似ていて、混ぜるとプライバシーの保護のためにも良さそうなので、まとめて。どの内容がどちらの先生に向けて書いていることかは、ご本人にはおわかりになると思います。

 

 はい、どこの園も「暑さ」や「危なさの判断」をめぐっては、いつもいつも大変です…。

 先生たちの園は暑さ指数が「危険」でなければいいということになったのですね。指数計をコンクリの日向に出して「暑くなりすぎるから」はないですよ。だって、それが子どもたちが感じている現実なのですから。まあ、それを言っても無理ですね、「とにかく外へ出すことが大事」と思っている先生たちには。しかし、指数計をしまい込んで、その場所の値を使うというのは…、いやはや。その先生はリスクの深刻さを理解していないとかではなくて、それ以前です。都合の悪いことは見ないようにする、見えないようにする、というのでは「他人の子どもの命を仕事として預かるプロ」として失格ですよね。

 

 「1−1.気づき」にもチラッと書きましたが、人のリスク感覚はまったく違います。楽観バイアス(「私(たち)には悪いことは起きない」と感じる認知の歪み)の程度も、人によってまったく違います。何を危ないと思い、何を大丈夫と感じるかは、人によって違うのです。それは重要な多様性であり、たとえば特に、「なんでもさせてあげよう!」という保育士さんの仕事においては楽観バイアスがある程度、強いというのは価値でもあるのです。一方、看護師さんたちの場合、個人の楽観バイアスの程度とは別に、職業上(医療現場で働いたことがあれば)、「命の危険がある」という予測は持ちやすいのです(看護師や医師以外で、「これは死ぬかも」と平静に考えられる人はなかなかいません。看護師さんの価値については、拙著『子どもの命の守り方』に書きました)。

 

 自分のクラスはある程度、「外へ出す」「出さない」を決められても、他のクラスには口出しできないと思います。力関係もありますから。でも、一応、「こういうことだとは思います」と伝えて(うちのサイトでもなんでも)、「それでも外へ出すなら、私にはどうしようもない」と線引きするしかありません。「こういうことだと思いますから、私のクラスはこうします」と伝えておかないと、もし万が一、他のクラスで重大なことが起きた時に「言っておけばよかった」というよけいな後悔が生まれるからです。もちろん、言っておいても後悔はすると思いますが、言っておかないよりは良いと思います。

 

 保護者のリスク意識も楽観バイアスも、人によってまったく違います。上の答えにも書きましたが、心配している先生たちと同じように感じている保護者もいるのだということは、しっかり頭に入れておきましょう。人間は文句を言われるのがいやなので、文句を言ってくる人(たいていは、「外遊びさせて」「災害でも預かって」の側)の利益に傾いてしまいます。でも、実際には「遊ばせないほうがいいですよね」「私も仕事を休みにして、子どもと家で過ごしますね」という保護者もいる、そちらとしっかり手をつないでいきましょう。

 

 私の悲観的すぎる予測だという希望を持って書いておきますが、来年が昨年の夏のように長期にわたって暑かったら、東京オリンピックではかなり大変なことが起きるでしょう(なんだかんだ言って、今年の夏は、8月しか暑くなかったのです)。そうなったら、この社会もさすがに「学ぶ」のかもしれません。

新任保育士をめぐって & 仕事内外の「両立」

  • 2019.08.24 Saturday
  • 17:49

 X先生と、クマ先生からです。どちらも内容の詳細は表示できませんが、実によくあるお話です。

 

1)ペンネームでもちょっと危ないかもしれないので、名前は書かないでおきますね。新人保育士の対応に困っている先生からです。

 

 先生、そういう人、少なくないですよ。「なんでも『はい』と返事をするのに、実はまったくわかっていない」「記録や事実を確認せずに、適当に答える」「指示通りの作業ができていないのに、しているふりをする」…、そして、こうした点について指摘しても、まったく悪びれず、謝ったとしても一向に変わらない。ここまではけっこう聞きます。ここから先は、2つの型に分かれるようですが。
1)仕事自体が散漫。
2)ひとつの作業には集中できるが、別のことが一切できない。

 

 まあ、2つの型のうち、どちらであっても、結局、仕事は進まず、子どもたちの様子に合わせることもできず、先生がおっしゃるように、まわりの先生たちが疲れ果ててしまうのですが。

 

 どうすればよいか。根本的には「辞めていただく」しかありません。保育の適性がないので。他のケースでも私、けっこう「それは改善の余地がありません。適性がない人ですから辞めてもらってください」と言います。そうすると必ず、「アタマ数が足りないのに、辞めさせることはできない」と皆さん、おっしゃいます。でも、私がこれまで見聞きしてきた場合ですと、まわりが本当に疲れてしまって、その一人のために周囲の数人が辞める、または辞めそうになるのです。それでは結局、アタマ数は足りなくなります(それも、質が下がる方向で)。もちろん、公立では辞めてもらうわけにいきませんが、その場合、異動を繰り返して、なんとか定年までひっぱるというのが現状のようです(役所に異動させて、役所が大変なことになった事例もありますけど…)。

 

 保育士の適性(もともと備わっていなければならないもの)の中には、コミュニケーション能力があります(必要な適性とスキルのリストを、いいかげん私もサイトに載せればいいんですよね…。頑張ります)。それができない人は、そもそも保育士になってはいけない。実はこれ、高校の進路指導の問題なのです。高校の進路指導の人たちに「乳幼児をみるぐらい、誰にでもできるだろう」という偏見があるのだと思います。まったくの間違いです。高度なコミュニケーション能力、人の話を理解して実行する能力がなかったら、保育士、幼稚園教諭になってはいけないので。

 

 「辞めていただく」がどうしても無理なら、とにかく子どもの命に関わることはさせない、他の職員の負担が増えるような作業もさせないことです。『心の仕組みを知る本』にも書きましたが、人間は誰でも、「これが自分自身の課題だ」「ここを変えたい」と意識できれば、少しずつ変える(変わる)ことができます。でも、「これが課題」「変えたい」と思わなかったら無理です。先生がおっしゃっている方も、あるいは、たとえば、子どもやおとなに対して怖い声を出していることに自分では気づかないという方も、保育士、幼稚園教諭の適性を欠いていますから。

 

 園長先生は「アタマ数が…」と言うでしょう。その時は「そうしたら、他の先生たちが辞めますよ」と言ってください。早晩、保護者から文句が出てくるかもしれません。それも辞めていただく理由にしてください。

 

 養成校に入学する人数が減り、にもかかわらず保育士のニーズは高い現状では、適性を欠いた人であっても「資格があるから」というだけの理由で雇われてしまいます。でも、あと5年程度、待機児童が多い地域でも10年ぐらい経てば、園も保育士も淘汰の時代に入ります。その時に質の高い保育をしているためには、全体を壊すような先生には早く辞めていただくしかありません。残念ながら、次に来る人の質の保証は誰にもできないのですが…。


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2)クマ先生、園の仕事と家庭の両立、プラス、園の中でも主任の仕事とクラスの仕事の両立。読むだけで「大変そう…」と感じました。

 

 はっきり言いますね。「クマ先生にとって、今、そしてこれからの数年、一番大事なことはなんですか?」。選びましょう。選んだら、「私が選んだんだから」と、一瞬迷ってもそのまま、行きましょう。でも、半年ごとに「今、大事なことは?」と考え、修正していきましょう。

 

 保育士という仕事は、「手に職」ですから、ずっと同じ場所にいる必要はありません。家族を優先させて、今は辞めて、数年後、戻れるなら同じ園に(立場は下がっても)戻る、あるいは別の園に就職するという方法もあります。今の園がどんなに好きでも、「つらい」という気持ちが蓄積していったら、「好き」という気持ちがだんだん侵食されていってしまいます。保育自体がいやになってしまう可能性すらあります。

 

 あるいは、「今の仕事を手放したくない」なら、とにかく犠牲には目をつぶって頑張る。でも、先生の健康がそれで害されるリスクはあります。10年前、20年前に比べると、書類や作業の量が格段に増えたと、私のまわりの先生たちは言いますから、かつては(別の誰かが)できたとしても、今のクマ先生にできるとは限りません。まして、その「昔の誰か」は、今、先生の目の前にいないのですから、比較のしようがないですよね。先生にとってつらいのですから、それは「つらいこと」なのです。他の先生と比べてはダメです。

 

 私の立場からすると、「クマ先生の心がこれから先、つぶれてしまわないようにするにはどうすればいいか」を考えることがとにかく最優先だと思います。「この1年間、がむしゃらに仕事をする!」はできるかもしれませんが、「これから10年間、がむしゃらに仕事を頑張る!」は、私はお勧めしません。それによって、先生の心、家族が壊れてしまうリスクがあるからです。

 

 いかがでしょう…? お聞かせください。どちらの方向に向かいたいとお感じですか?
 

給食について(誤嚥のリスク) & 交通事故「加害者」に対する報道

  • 2019.08.18 Sunday
  • 10:15

 いろいろ追いつくべく、仕事とかけっこ中です。7月28日以降のお尋ねの方、もう少々お待ちください。順番に書いていきます!

 

1)まずは、「心配な保護者さん」からです。遅くなってしまって、ごめんなさい! こちらは幼稚園なのかな?とは思うのですけど、このような給食提供法というのを初めて聞いたのですが、他にも「小学校の調理室から給食が配食される」という園がありましたら、ぜひ教えてくださいませ!
ーーー
 コメントありがとうございます。先生のホームページで今後も勉強をして、安全に育児をしていくために参考にさせて頂きます。もう一点、ご相談があるのですが、もしお時間がありましたら教えてください。

 

 我が子の通う園では、給食が小学校との共同調理場で作られています。従って、提供される給食が小学生向けになっていて、内容に不安な点があります。以下です。
 

ー冓などに丸こんにゃく(一口大)のものが頻繁にでる
■姥ゼリーが出る
ブドウ(皮付き)が出る
ぅ宗璽察璽犬筌ぅフライが出る、です。

 

 先生のホームページを参考に、以上のものは窒息の恐れがあるという旨を伝えようと思っています(一度、園長先生に直接尋ねましたが、共同調理場では対応できないと言われたそうで、直接、管轄の教育委員会管理栄養士さんに問い合わせてほしいとのことでした)。

 

 小学校に隣接しているため、共同調理場からの給食の配給は仕方ないのかと思うのですが、共同調理場からの配給の場合は、給食ガイドライン(園児用)のものは適応されないのかな…などと思っています。

 

 以上の点以外でも、小学生向けの食材や調理方法や量という面も気になっています。3歳児もいる園なので、先生方もキッチンばさみを使って小さく切ったりとして下さっているとは聞きました。年少は今年度も補助の先生がついての指導になっています。年中と年長は保育士1人で対応しています。

 

 下の子どもが、窒息事故を起こしたこともあり、来年度の入園をどうしたら良いか悩んでいます。一度、教育委員会に問い合わせてみたいのですが、私の上げた食品の危険性を伝えて代替えしてもらうことが可能かを聞くことで十分でしょうか? 難しい場合、園でキッチンばさみを使って対応とのことですが、その場合は安全面で十分と考えて良いのでしょうか?

 

 何度も質問してすみません。よろしくお願い致します。
ーーー
 心配な保護者さん、何度お尋ねいただいても大丈夫です (^^)v お尋ねの件ですが、並木由美江先生にもお聞きしました。並木先生は保育園だけでなく、療育センターでも看護師をなさっていたのですが、弁当類は調理元では個人対応をしないので、療育の場合、施設に弁当が届いた段階でその子に合わせて切ったり刻んだりしていたそうです。先日、ニュースにも載せましたが、連携ミスで「切るはずの子どもの食事を切っていない」ということが起きないよう、非常に細かく確認をしていたとのことです。

 

ー冓などに丸こんにゃく(一口大)のものが頻繁にでる
△劼噺ゼリーが出る
ブドウ(皮付き)が出る
ぅ宗璽察璽犬筌ぅフライが出る

 

 1〜3は自園給食の保育園でも幼稚園でも出ています…(イカフライは聞きませんが、ソーセージは出ているかも)。ですから、園で心配している先生たちもいます。こんにゃくは丸じゃなくても、「んぐ」となるリスクはありますから、切ったほうがいいと思います。

 

 ひと口ゼリーは、小さいカップのものですよね。こんにゃくゼリーほど弾力性がないのでいいのではないかと言われますが、あれはスプーンですくって食べられる大きさではないために、どうしても、顎をあげて上を向いた状態で口の中に落とすような食べ方になりがちです。そうすると…。はい、ご心配はごもっともです。心配だからひと口ゼリーをやめたという園はあります。園でわざわざ食べなくてもかまわないタイプの食べ物ですから。死亡事例は聞いたことがありませんが…。

 

 ブドウは山中龍宏先生たちの「傷害速報」(日本小児科学会)を見ると、巨峰で死亡事例があります。ミニトマトと同じ材質、サイズですから(半分に切るべき)。デラウェアはけっこう先生たちが心配します。さやに入った枝豆同様、口の中に「飛ばす」ような形で食べるからです。かといって、幼児さんの場合、デラウェアを全部、皿に出してから食べさせるというわけにはいかず…。悩むところです。

 

 ソーセージは皮が噛み切りづらいという問題があり、小さく切っても詰まるリスクがあります(英国の保育園で輪切りのソーセージで死亡例あり)。その点ではイカ(フライでもなんでも)も同じです。

 

 「過去に誤嚥窒息を起こしたことがあり、咀嚼と嚥下にまだ不安があるので」とお伝えになって、「切ってください」と言う以外には方法がないと思います。代替えが可能とはあまり思わないので…。そもそも未就学児の食事を小学校の給食施設で作っているという時点で、自治体は安全や質ではなく、別のことを優先させているのでしょうから。

 

 おまけですが、小学校低学年にも誤嚥窒息のリスクはあります。学校給食のウズラの卵で亡くなった事例、白玉で亡くなった事例など。小学校低学年は歯の生えかわりで、それも奥歯が替わる時期です(年長時は前歯中心)。そうすると、奥歯で噛もうと思ったら奥歯がない…(本人もびっくり、ですよね)。この頃、ようやく「小学1年生の事故のリスク」が言われるようになってきましたが、それは誤嚥窒息も同じ。小学校に入ったとは言え、心理的にはまだ未就学児に近い。でも、環境は小学校で、本人も周囲のおとなも小学生の気持ち。この年齢はややこしいのです。

 

 もちろん、人間、いつかは必ず、丸こんにゃくも食べますし、ウズラの卵も丸のまま食べるようになります。「だから、園で出してもいいだろう」という理屈はありますが、私は「他人から預かっている子どもの命に対して、責任を負う危険をおかしてまで『練習』をする必要はないですよね」と言います。ただし、心配な保護者さんもずっと読んでいておわかりの通り、クラスの先生たちや看護師さんたちが(数人や一人)心配していても、園はそう簡単に変わりません(私立園であっても)。「安全」の5−3にも置いてあるこの兵庫県の事例集も参考に、園と話し合っていただけるとよいかなと思います。

 

 いかがでしょうか? また、結果をお知らせくださいね。

 

 

ーーー

2)さて、次、はまゆげ先生、お待たせしました! 
ーーー
 いつも大切な情報をありがとうございます。自園での具体的な取り組みにつなげています。今回は、とってもモヤモヤすることがあり、ご意見を伺えればと思い書き込みました。大津市での交通事故の裁判報道のことです(私自身、この事故には衝撃を受け、深い悲しみを感じています)。

 

 裁判の様子については、テレビをはじめ、様々なメディアでの報道がありました。そこで加害者(になってしまった)被告は、「罪の意識薄い」とも言われて(報道されて)います。

 

 以下、2019/7/18付日本経済新聞 朝刊より引用

「罪の意識薄い」 保護者ら悲しみ
 検察官が事故に巻き込まれた園児らの名前を1人ずつ読み上げると、法廷にすすり泣きが漏れた。保育園児ら16人が死傷した事故で17日に開かれた大津地裁の初公判。新立文子被告(52)は手元の資料に目を落とし、終始うつむいたままだった。

 白い薄手のシャツに黒っぽいズボン姿で出廷した新立被告は傍聴席を向いて一礼し、証言台へ。裁判長から起訴内容に間違いがないか問われると、小さな声で「ありません」と答えた。
保護者らの代理人弁護士によると、遺族や保護者ら少なくとも25人が傍聴した。新立被告は被害者参加制度を利用して検察側に座った遺族らと目を合わすことはなかった。
 「罪の意識が薄いのでは」。代理人弁護士は閉廷後に記者会見し保護者の声を紹介した。重傷を負い入院中の女児(3)の両親は「反省が見受けられない。言葉を交わせないなら態度で謝罪の意を示してほしかった」と話したという。
(引用終わり)

 

 社会的にとても大きな事故であったということは、もちろん承知していますが、この裁判に関する報道内容は、被告を抹殺(社会的にも、もしかしたら本当の意味での抹殺…自死?)してしまうものに思えます。こうすればよかった(これも無茶な話ですが)というものではなく、ただただ責めるだけの報道。大きな違和感を感じます。

 

 今回の事故は、罪の意識よりも、激しい後悔と申し訳ないという気持ちが出るのではないのでしょうか。(推察ですが。)

 

 登戸での殺傷事件は、明らかな殺意があっての”事件”。今回は不注意での”事故”です。日々交通事故・死亡事故の報道はされています。中には小さいお子さんが亡くなってしまった事故も少なくありません。が、今回ほど加害者を抹殺するような責め立てる報道はされていないように感じます。こんな、失敗をしてしまった人を責め立てる風潮に乗っかってしまっていいのでしょうか? (テレビ報道を目にした時にも感じましたが、決定的だったのは、この裁判の記事が当園を運営する本部から、わざわざメールで送られてきたことです。)

 

 ぜひご意見をお聞かせください。
ーーーー

 以下、まったくの私見ですが…。大津の交通事故自体、当初は社会と報道側の不勉強ゆえに「物語」に仕立てあげられそうになりました(「なぜあんな所に子どもたちが?」「園庭がないなんて」等々)。そこらへんはネットの力のおかげで取り下げられました。記者会見で園長を泣かせるような質問をし、園長の号泣シーンを報道が撮って、「物語」が終息しました(それ以外は「交通事故」以外の物語性が報道の立場としてなかったからでしょう)。その後、「加害者」のほうへ報道の関心は移ったわけです。その後の市原の事故もあって、「保育士さん、ありがとう」という不気味な物語になりかけましたが、さすがに保育士さんたちがゾッとしたのでしょう、これも短めに終わりました。

 

 今は必ずしも「報道=マスコミ」ではないので、ネットも含めて「報道」と呼びますが、報道はとにかく「物語」がほしいのです。物語を読みたがっているのは、報道を読んでいる私たちも同じです。そして、物語に必要なのは、「悪者」ですよね。今回の「悪者」は、右折した車の運転者です。それだけのこと、と言ってしまったら悪いかもしれませんが、実際、それまでのことです。

 

 はまゆげ先生、ちょっと考えてみてください。この右折車の運転者が55歳の男性だったら、このニュースを読んであなたは同じように考えましたか? これが22歳の女性だったら? 22歳の男性だったら? おそらくはまゆげ先生の感じ方はそれぞれ違うはずです。実際、今でも私のまわりでは話題になりますが、あの記者会見で号泣した園長先生が男性だったら、社会はどう感じたでしょう? 逆に、あの女性の園長がまったく涙も見せず、理事長、副理事長と同じように淡々と回答したら? あるいは、同じ理事長、副理事長が号泣していたら? 「物語」に対する感情的な反応は人(=解釈の背景をいろいろ持った人たちそれぞれ)によって違うので、このようにひとつ条件を変えるだけで、はまゆげ先生の感じ方も、私の感じ方もまったく違うのです。

 

 ちなみに、交通事故は「事故」ですが、どんなに自動車自体の安全設備が良くなっても、対歩行者、対自転車に対する安全を確保する最後の砦は運転者です。そして、自動車は高速で走る鉄の塊であり、乗っている側には人を殺す力さえ与えるハザードです。右折で焦れば、あるいは注意を欠けば、玉突きで歩行者や自転車に害を及ぼすことを運転者は理解していなければなりません。私自身、米国で左折車(=日本で言う右折車)にぶつかられていますから、この点ははっきり言います。私がぶつかられていなかったら、こんなふうには言わなかったかもしれません(ね、違うんですよ、解釈する側の条件によって、人の認知は)。

 

 ところが、運転者は「大丈夫だろう」(楽観バイアス)を強く持って運転をしている。「大変なことになることもある」という事実を理解してもらうために、報道は重要です。

 

 最後。本人に「罪の意識が見られない」という部分ですが、心理学の視点からすると、本人もいまだに現実感がないのかもしれません。特に今回の場合、右折車は直接、子どもたちの中に突っ込んでいませんから、よけいにそうなのかもしれませんが、それ以前に、人間は非常にショックなことを体験すると現実感覚を失いますから(心が破綻するのを防ぐためのシステム)。この部分は、私の推測でしかありません。

 

 いかがでしょう?

暑さについて

  • 2019.08.12 Monday
  • 22:55

 まずは、明日からまた問題になるであろう「暑さ」について、です。他のご質問の方、本当にごめんなさい。もう少々お待ちください。

 

1)なえ先生から「暑さ指数を下げるために、ミストを使用したり、打ち水をして、暑さ指数を下げてまで、プールにする必要があるのでしょうか」。

 

2)すう先生から「水をまいたり、日陰をつくったりすることで、市内の観測地点のWBGT指数よりも園のWBGT指数のほうが若干、低くなる。それならプールや水遊びをしてもいいのではないかと言われるのだが、どうか。市の観測地点をもとに、市からは注意のメール等が来るのだが」。

 

3)tiny先生から「実測で暑さ指数が『危険』なら戸外遊びは中止としているが、水をまけばよいだろうと責任者が判断して、クラスが遊んでいた。保護者にも『計測は水をまいた直後に行う』と掲示している。自園に近い観測地点が『危険』でも、一時的に自園の環境が下がればいいという判断だが、これでいいのだろうか」。

 

4)下の「暑さ2題」にkana先生から「寒気」についてコメントをさらにいただきました。kana先生、ありがとうございます。体温調節機能が変調をきたすのでしょうね…。

 

ーーー

 では、お答え。というか、お答えにはならないと思いますが。

 

 掛札に書けることは、8−2の内容だけです。実際、「熱中症とみられる症状で子どもが搬送された」という園からの報告も聞いていますが、命には別状がないのでしょう、ニュースにもなりませんし(「園児を熱中症で搬送」というニュースはない。事実は起きているのに)、私が詳細を書くことも当然できません。

 

 私に書けることは、8−2の本文の最後、「『子どもが遊びたがるから』で死んだら?」以上にはありません。人間には「楽観バイアス」があります。「私たちの園は大丈夫」、そう思わなかったら保育なんてできるか!という状況なのはわかります。でも…。私と同じようにひどく心配している先生たちの園で、熱中症による死亡事故(やプールの水死←熱中症が原因で倒れたのかもしれない)が起きた時、ひどく心配している先生たちの心はもちろん、「きっと大丈夫」と進めた先生たちの心もつぶれるのが予想されるだけに、どうしていいのか、まったくわかりません。地球は暑くなっていますから、状況は悪化します。今年でなくても、いつか間違いなく、園でお子さんが熱中症で亡くなります。それまで、皆さんが(私も)心配しながら夏を過ごすのかと思うと…。

 

1)なえ先生、そう考える先生もいるでしょう。人間の「価値とリスクの判断」には一人ひとり、大きな差があります。

 

2)すう先生、観測地点よりも自園のほうがWBGTが低くなるというのは珍しいように思いますが、それは逆に、市に訊いたほうがいいと思います。市は、市の観測地点を元に話をしているわけで、実際に事故が起きた時には「どうして?」と言われるでしょう。その時に説明しても遅いですから、「私たちの園はこうなのですが」と、毎日の実測値を市の保育課に示してみてください。

 

3)tiny先生、8−2に書きましたが、「それでよい」と言う保護者の子どもは良い、とみなすしかないかもしれません。だから、「屋外活動カード」のようなものを作って「うちの子どもは、園の判断基準を下回ったら外へ出していい」と表明してもらうべきなのです。「心配だな」と思っている保護者はカードに丸をつけない、という消極的意思表明ができるのです。

 ただ、「厳重注意なら大丈夫」と書いていらっしゃるようにお見受けするのですが、下の項に書いた通り、救急医学会は「厳重注意でも、子どもの外活動は原則中止」としています。「それでも、『危険』ではないのだから、外遊びをする」と園が言うなら、それはそれまでです。私に言えることは。

 

 以上、「そもそもプール活動自体をするの?」という部分(1−7の後半)は不問に付して、暑さに関してだけお答えしました。暑さの中で、通常よりも体力を消耗するとわかっているにもかかわらず、どうして外遊びをさせようとするのか、私には理解ができません。8−2に書いた通り、気温が体温に近づけば体温調節は(おとなでも)できず、熱中症になります。一方、気温を28度かそれ以下に下げた室内で活動すれば、汗もかき、体温調節もできます。子どもの発達にとってはそれで十分です。「夏ならではの遊び」とか「夏はプール」「外で汗をかかなければ」といった「これまではそうだったのだから」では、急速に変化しつつある地球の気候のもとで子どもを守ることはできないのですが…。

 

 お答えになっていませんが、以上です。

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