暑さ2題:「危険」でもプール活動。「とにかくプールに入れて」

  • 2019.07.31 Wednesday
  • 22:01

 ちょっと原稿書き(保育団体さんとかの出版物用)がたてこんでいて、いろいろ遅れております。
 はまゆげ先生、考えてはいます! 心配な保護者さん、小学校の給食室で園の給食が作られているというシステム自体が不思議ですね、ちょっと並木先生にお尋ねしてみます。うさぎNSさん、典型的な新卒さんと言えばそうなんですが、対応となると…。少々お待ちください。

 さて、とっとと返事をしなければいけない、そして、お答えできる「暑さ」についてだけ!

1)さよりん先生(名古屋市)から。要約しますね。
 今日の暑さ指数が10時で31。自園の看護師に「プール活動は中止した方がいいのではないでしょうか?」と尋ねたところ、「学校と違って遮光ネットが張ってあるし、名古屋市では"暑さ指数によってプール遊びを中止しなさい"という決まりは出てないし、熱中症にならないように気をつけてやっているから」と言われました。
 名古屋市の公立保育園のほとんどの園長をはじめ職員の間では、「夏は晴れていれば熱中症の危険があってもプール遊びをする」というのが"常識"のようです。事故が起こらないとわかってもらえない世界です。名古屋市の公立保育園が危機管理意識が低いのか? 異を唱える私が細か過ぎでおかしいのでしょうか? ちなみに、名古屋市の公立保育園のプール遊びの監視役はパートさんに任せている園がほとんどです。それもどうなのかなぁと思っていますが‥。 
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 ご冗談でしょう?です。そうですね。誰か亡くなるまでわからない、という世界なのでしょう。監視役をパートさんに任せるという所もそうですが、水と暑さを甘く見すぎています。
 8−2の「資料」のリンクの所にも置いてありますが、昨夏、救急医学会が出した提言に、(子どもについては)「危険」でも「厳重警戒」でも、「 原則的には全ての授業での運動や課外活動を中止するのが望ましい。」と書かれています。「保育園のプールは、遊びであって、運動じゃない」と名古屋市の公立の園長先生(看護師さんすら!)強弁なさるなら私にはもう何も言えることはありません…。

2)たっきー先生から
 今年は計測器を購入して、使っています。連日の暑さで危険数値になるためプールは中止しています。このことは再三保護者にもお知らせはしていますので、「今日は暑すぎて出来なかったね」と理解をして頂いている保護者がほとんどです。しかし、医師であるお母さまから、「プールに入る前に経口補水液を飲ませ、遊んだ後も飲ませれば大丈夫。肩までプールに浸かっていれば良い。日よけをアルミの様なものにしたら…」等、「子どもがプールに入れないのは可哀そう。夜寝るのが遅くなる」と言ってきました。園としては、暑さ指数と監視体制が整わなければ行わないと何度も説明しています。以前からも園のルールを守らない方で、対応に苦慮しています。  
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 ある意味、話は簡単です。「私どもは、人様のお子さんの命を預かっている仕事をしているものですから、命の危険があるかもしれない時に無理をすることはできません」とだけ繰り返してください(Bー1の「プール活動を廃止することを伝える手紙」も同様)。この際、「申し訳ございません」と言う必要は一切ありません。毅然と「できません」とだけ言ってください。
 1−2の例5「暴力・殺傷事件の危険がある場合」にも書いたことですが、園がどんなに理にかなった説明をしても、または園の立場として説明を繰り返しても、「なんで!」と言ってくる人はいます。それは先生たちが間違っているからではありません。そう言いたい人は必ずいるのです。でも、他の大部分の保護者が「そうだよね。無理だよね」と言っているのですから、気にしないでください。自治体にも苦情がいくかもしれませんが、同じように繰り返せばいいことです。こちらが「子どもの命を守る」と言っているのに、「一人の親の言う通りにしろ」と言う自治体は(めったに)いないでしょうから。
 どんなことでも同じですが、少数の保護者の言い分にふりまわされてはいけません!! できないことは「できない」、しないことは「しない」と繰り返す、です。

与薬について(抗生物質、アレルギー用薬等)

  • 2019.07.21 Sunday
  • 22:49

 まず「心配な保護者」さん、ありがとうございます! コメントを書きました(6月9日)。

 はまゆげ先生、考えてます。少々お時間をください。むちゃくちゃ難しいテーマだ…。

 

 さて、本題。

 与薬について研修会でお尋ねをいただきました。ネット上でいろいろ調べたうえで、並木由美江先生(全国保育園保健師看護師連絡会前会長、日赤幼児安全法指導員)にも確認しましたので、お返事します。

 お尋ねを要約すると… 「抗生物質の与薬は(与薬すると)決まったものだからいいのだけれども、アレルギー用の錠剤(レスタミン等)や点眼薬、点鼻薬は『症状に応じて』と言われるので断っている。それでよいか」。

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1)まず根本的な条件は、なんであれ「医師が処方し、投与を指示したもの」であること。

 

2)抗生物質に関して。抗生物質は抗菌薬であり、ウイルスが原因となる手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱/プール熱、RSウイルス感染症等には効きません。ですが、いまだ医師の中には、「かぜ=抗生物質」という人がいるのも事実です。

 一方、黄色ブドウ球菌(とびひ)や溶連菌などは、菌に合った抗生物質を決められた期間つかうことで効果が得られますが、耐性菌も増えてきているそうです。また、急性中耳炎の場合、耐性菌がすでにかなり蔓延しているそうです。つまり、菌感染よる疾患であっても、どの菌なのか、耐性菌かどうかを確認して抗生物質を投与しなければ。意味はないということになります(この内容を保護者、医師に伝えられるかどうかは別として、事実は以上の通りです)。

 

3)(菌が合っていて、効果がみこまれるという条件のもと、)抗生物質は確かに、投与すると決められた時間に投与するという点が明確です。では、「症状に応じて」という薬(例:食物アレルギー用の錠剤、点眼薬、点鼻薬)は投与・使用するべきではないのか。

 これもまた、今、掛札が研修会でお話ししている「価値とリスクを天秤にかける」です。以下の通りに考え、私も並木先生も、「(抗生物質は朝晩投与で断ったとしても)アレルギー用薬は投与・使用してよいし、すべき」と考えます。

 

・アレルギー用薬を投与・使用する価値:かゆみや発赤を軽減することができる。

・アレルギー用薬を投与・使用することに伴うリスク:副作用。投与・使用する子どもを誤るリスク。

・アレルギー用薬を投与・使用しない価値:「これくらいなら使わなくてよかったのに」と言われるリスクがない。

・アレルギー用薬を投与・使用しないことに伴うリスク:子どもがかきむしったり、こすったりして状態を悪化させる。

 

 子どもはかゆみを我慢できませんから、かゆければかきますし、こすります。その症状を緩和する目先の価値は、(おそらく抗生物質と比べても)大きく、使用しないことに伴うリスクも大きい。一方、医師に処方されている薬ですから、その子どもで深刻な副作用が出ないということはわかっているはずです。もちろん、眠気などの一般的な副作用はありますが、価値を考えれば受容することのできるリスクです。

 では、投与・使用する子どもを誤るリスクは? 医師でも看護師でも薬剤師でも調剤・投薬ミスはします。保育園の職員がミスをしないなどということはありえないと社会は理解すべきです。かつ、保育園で預かる薬は、万が一、投薬ミスがあっても危険が大きくないものであるはずです(誤って飲んだ子どもにとっても、結果的に投薬されなかった子どもにとっても)。

 

 よって、「症状に応じて」という条件下で預かるアレルギー薬は、「価値>>>リスク」です。

 

4)問題があるとすれば、アレルギー用の錠剤や点眼薬・点鼻薬を処方されている子どもがアナフィラキシー様の症状を呈した時に、「この子は薬を処方されているし、アナフィラキシーではないはずだ」と考えてしまうことでしょうか。

 これまでアナフィラキシーを起こしたことがない子どもでも、突然、アナフィラキシーを発症することはあります。ですから、症状が強かったり、口のまわりや呼吸に異常がみられたりした場合でエピペンがないという時には、すぐに搬送すべきです。

アレルギー用の錠剤等は症状の寛快までに時間がかかるものですから、アナフィラキシーの場合に使用するものではありません。

 

 今回は、特にアレルギー用の薬の話でしたが、以上のように理屈で考えてみればたいてい解決できると思います。

 

 近々、発熱などの体調不良時のコミュニケーションのポイントについても、サイトのほうに書きますね…。熱が何度ならお迎えを要請するのかとか、熱がなくてもとか、医者が「登園していいと言っているけど」…とか、いろいろありますので。

 

 

詰まりかけの時+もうひとつ

  • 2019.07.08 Monday
  • 09:29

まず、「ついうっかりぼんやり」先生からのお尋ねです。「『見えない』を体験する実験」はこちらです。でも、これを先生たちが読んでしまうと、決して体験できませんから園長先生や主任先生だけがお読みになってやり方をわかっていただき、そして、先生たちに向けて実施してください。もうひとつ、プールの監視がどれほど難しいかは、「プール活動、水遊びの安全」の一番下のゲーム(うわの空になる自分を体験するゲーム)でも体験していただけます。

 

さて、タナカ先生からいただいた質問です。

 3歳児が食材(スープの具材のえのきか、鶏肉の香味焼き)をのどに詰まらせた時に保育士がおこなった処置についての質問です。

 保育士は2名いました。児に「口を開けてごらん」を声をかけると児は開口し、大きな声で泣き続け、顔色が真っ赤だったとのこと。保育士は児の喉に白色の塊を発見、児の背中を叩いたところ、食べた物を全部吐いたとのことでした。吐いた食材が喉に詰まって窒息した事例がある、と伺ったので、今回のような場合、どのような処置が適切だったのでしょうか。赤十字社の指導教本によれば咳を促すことになりますが、その男児の母親は、男児が食材をよく詰まらせる、といいます。男児の口腔内の形状、機能、嚥下の機能等を診ていただく必要もあるでしょうか。
ーーー

 並木先生にいただいたお答えです(つまり、息はできている(泣いている)ようだがむせていない(咳をしていない)という場合は、息はできていても「自分で出す」反射ができていないのだから、頭を下げて背中をたたくということになるようです。ここで大事なのは、気道内異物除去の方法通り、「頭が下がった姿勢にする」という点でしょう。

(以下、お答え) 

 咳はしていない、むせていない、泣いている、ということでしたら、乳児の場合、のどに詰まっている以外の可能性も考えられます。たとえば、口の中にワカメなどがへばりついたなどの違和感です。これでも泣くことがありますので、口の中を確認すること(あわてて指をつっこんだりはせずに、落ち着いて口を開けさせ、中を見る)。

 

 お尋ねのケースは3歳児、顔を赤くして泣いていたということですので、まず呼吸はできています。でも、詰まっている(詰まりかけている)かもと思ったら、頭を低くして背中をたたきます。頭を下げていれば、たたいた時に吐いた食材が喉に詰まる危険性は低いと思います。数回たたいても取れなければ腹部突き上げです。

 

4人の先生から、計5つのお尋ねです

  • 2019.06.30 Sunday
  • 22:24

 まず、サボコ先生、下のスレッドに、コメントありがとうございます。まだ、お返事書いてません〜。ごめんなさい。はなまる先生、下の下のスレッドにコメントありがとうございます。そちらにお答えしました〜 (^^)

 

 続いて4人の先生方から。ひとつひとつお答えさせていただきます。

 

1)カナ先生からです。

 いつも沢山の情報ありがとうございます。気持ちが緩みかけてしまうことも…。しかし新たな情報やニュースに気を引き締める毎日です。

 朝の食べ物について、何を食べたか、どれだけ食べたか、は子どもの様子を考える指標の一つだと思います。アレルギーの遅発反応や運動誘発性アレルギーについても何時頃に何を食べたのか、は大切な情報です。★牛乳アレルギーで朝コーンフレークにかけて食べてきて軽く症状がでた★という経験があります。保護者の方は大したことない等と暢気でしたが、預かる側としてはドキドキしたまま、お迎えを待ちました。「軽い症状」というのがとても厄介だと思っています。こんな程度で、文句を言われてもお迎えをお願いしていますが・・・。遅発症状というのか、その時は発疹・発赤程度でも後ほど下痢症状が止まらない等ということもあります。事例を知るほどにコワさを感じる食物アレルギーです。

 

お答え:はい、おっしゃる通り、家で食べている食事(食材)の情報はきわめて重要です。だから、私はてっきり、以上児さんたちも食事の内容を書いてきているものだと思っていたのです(8−2の中にある「午前の脱水」の話ですよね?)。牛乳アレルギーでコーンフレークに牛乳かけるなんて、たとえ遅発型でも危険なんですが、なんでそういうことをするのか…。理解できません。

 でも、のんきに「牛乳を口にしました」と言ってくれるだけよいのかも。発症して「家では食べていません」「園でしょう?」だったら、冤罪になりかねませんから。そのうち、そういう事例が出てくるんじゃないかと危惧している今日この頃です。園と違って、家でできあいの惣菜や弁当を食べていたら、実際、何を摂取しているかなんて、保護者もわかっていない可能性がありますし。

 

 

2)アキ先生です。再投稿、ありがとうございます!

 お忙しいのにお手間を取らせて申し訳ありません。質問を簡潔にする訓練と思って、再度送らせていただきます(汗。)昨年12月より、先生のHPを参考にした気づきボードを導入して参りました。件数はかなり集まっています。職員の意識も変わってきているのを感じています。その中で、よりよい集計の方法を教えていただけないでしょうか? 現在、トラブル・非トラブルに分け、単純集計をしています。先生方がもっと書きたい!となるような集計方法があればご教授願います。宜しくお願いいたします。(先生の睡眠、お食事の時間を優先してご返答ください。全然急ぎませんので…ご自愛くださいね)

 

お答え:アキ先生、「件数がかなり集まっている」とのこと、ぜひ一部だけでも拝見させてください。「こういうふうに分けるんですよ〜」ということをお伝えしますから。この視点がわかると、がぜん、「気づき集め」(1−1)はおもしろくなります。あとでメールしますから、気づきの個人名の部分を全部消して、スキャンしておいてください。場所(クラス名)は残しておいてください。同じ場所で同じことが起きているというのは、非常に重要な情報なので。

 他の園の皆さんも、気づきが集まったらおっしゃってください。これは実際に集めたものをもとに分類して考えるのが、最も効果的ですので。

 

 

3)おおしろ先生からです。

 乳幼児の睡眠時の横向き寝について質問をさせていただきます。私たち保育園では睡眠時うつぶせ寝・横向きはあおむけにするようにと職員会議などで決めて実施をしていましたが。勤務している看護師が「乳児の睡眠時ミルクなどの嘔吐などがあった場合は横向きで寝ている場合が安全なので、あおむけ寝と横向き寝は両方いいのではないか? 医療の現場では右位と左位という医療用語もあるので、横向きは危険ではないです」との意見を頂きました。
 色々とネットなどで情報を収集してみましたが、医療現場を経験している看護師に意見を言われてしまい、困惑している状態です。掛札先生のお書きになったトピックを活用させて頂き園内研修を行っていますが、上記の件について掛札先生のご意見を頂きたくコメントを送らせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。

 

お答え:まず、子どもを寝かしつける時の体位は「あおむけで」というのは、欧米でそもそも家庭向けの突然死予防の呼びかけ(Back to Sleep。このbackは「背中」という意味)として始まったということをご理解ください。家庭で子どもを寝かしつける場合、その後、保護者も眠るわけですから、睡眠チェックはできません。横向きにしていたら、その後、うつぶせになる確率が上がります。だから、「横向きでもダメで、とにかく周囲に何もない状態で、タオル等もかけずにあおむけに寝かせましょう」と言っているのです。そして、もちろんこれは自分で自由に寝返りが打てるようになるまでの赤ちゃんの話です。自分で寝返りが打てるようになれば、自分で横も向くでしょうし、うつぶせにもなるでしょう。でも、家庭の場合、亡くなるのはたいていが寝返りのできない0歳児なので、寝返り後に何か起きても、そこはしょうがないわけです(保護者が眠れなくなってしまいます)。

 保育園では、保育士が一緒に眠ってしまうわけではありませんから、逆に横向きでもよいのかもしれません(睡眠チェックを確実に、5分おきにしているのであれば)。けれども、東京都の監査ではすでに「横向きはダメ」と言われているのです。これは、上の「家庭向きのアドバイス」をうのみにしたもので、確かに道理には合わないかもしれません。ですが、監査で指摘されているという事実を考えると、お子さんが横向きで寝ていて亡くなった場合、保育者、園の責任を問われかねない、そういう意味で、私や並木先生は「横向きも原則、ダメ」とお伝えしているのです。

 「うちは東京都じゃない」…、でしたらぜひ、ご自身の自治体の保育課にお問い合わせになることをお勧めします。自治体の言質をとっておくのです。看護師さんが医療の現場でどのように学ぼうと、残念ながら、今、保育の現場で言われていることは違う場合があります。自分たちで判断せず、自治体にお尋ねになるほうがいいと思います。

 「嘔吐している時や咳き込んでいる時は横のほうがいいのでは」とおっしゃる方は多いのですが、米国国立研究所のサイトには、「あおむけにしたからといって誤嚥や嘔吐が増えるわけではない」と書かれています(こちらのページの下のほう、赤ちゃんのイラストの真上)。

 この点で私がいつも申し上げるのは、「嘔吐していたり、せきこんでいたりしたら、集団の中で寝かせず、先生の横に置いたり、職員室に寝かせたりして、5分どころではなく、こまめにチェックしますよね。だから、その時にその子が自分にとって楽な体位(うつぶせ以外)をとることは当然だと思います」です。

 

4)最後、とやと〜先生です。2点。

 1つは職場の残業についてです。普通勤務で17:15に終わるところ、18:30、19:00....大きな行事が近くなると20:00......21:00.........22:00ということもあります。もう疲れきっていて、日中に事故が起こらないことを祈るばかりです。昨年度末には、早番7:00(実際は6:30に出勤)から22:00まで働き、残業代は2時間でした。やる気がなくなります。
 2つ目は、子どもたちを怒鳴る保育士がいることです。気に入らない行動をする子どもは怒鳴られます。誰もいない遊戯室で怒鳴って、そのまま子どもをひとりで暗い遊戯室に残します。何か事故が起こったらどうなるのか不安です。子どもたちは怯えており、隣のクラスに逃げてきます。廊下からその保育士の声が聞こえると物陰に隠れます。怒鳴る保育士は、もしかしたらどこにでもいますか? どうしてあれほどまで怒鳴るのか。一度壊れた子どもの心を修復できるのか心配です。

お答え:1については、労働基準監督署に労働時間の実態を報告することをお勧めします。報告しなければ、組織の問題は何も変わりません。もちろん、「誰が報告したんだ!」ということにはなりますが、不満を持っている職員はたくさんいるのでしょうから、その点は問題になりません。

 報告しても自治体が動かないというケースもあります、「職員で上司と話をしろ」と言われて終わり、というケースもあります。その場合、自治体に伝えた上で、不満を持っている先生方で一斉離職することを常に私はお勧めしています。そのような園は子どもにとっても保護者にとっても職員にとっても悪い園です(安全の側面だけでなく)。集団離職する日に、玄関に理由を書いた紙を貼るなり、保護者に配るなりしてください。マスコミは「一斉離職なんて!」と書き立てていますが、それは保育者のわがままではない、ということがそろそろ理解されつつあります。今なら、(よほどの過疎地でない限り)仕事はあります。たとえば、NPOの今年のニュースページで、「沖縄県読谷村」と検索すると、離職→保育園設立のニュースが出てきます。

 2については、その先生の音声を録音し、SNSのアカウント(適当に作ってください)で公開することをお勧めします。たとえば、NPOサイトの今年のニュースで、「SNS」で検索すると小倉で録画して投稿した事例、「録音」で検索すると熊本で録音して証拠として使った事例が出てきます。その保育士が運営者の親族だったりすると、運営者に言っても聞かないでしょう(この手のケースは山ほど聞きます)し、自治体も動かないでしょうから、最後の手段は「公表する」です。

 1も2も、いずれの方法も難しいことはわかっています。でも、運営側がそのような事態を放置していて、先生方が「これでは子どもにとってよくない」と思うのであれば、園を存続させることに加担するべきではありません。重大事故や職員の自殺、過労死といった事態に至った時、「なぜ、私たちは声をあげなかったのか」と後悔するだけですから…。

投稿のしかた

  • 2019.06.23 Sunday
  • 14:00

投稿(質問、コメント)の方法です。

どのスレッドのコメント欄でもかまいませんので、コメント欄を開いてください。スマホの場合、画面の下のほうの見づらいところに「コメントを読む、書く」があります。探してくださいませ〜。

 

名前を書いてください、あくまでもニックネームで。本名でもかまいませんが、新しい質問スレッドにする際は、掛札がニックネームにしてしまいます。誰かの投稿に対するコメントの場合は、本名ではそのまま「公開する」を押せませんので、ぜひともニックネームで。

 

コメントに質問を書いて、送信ボタンを押してください。すぐには表示されませんし、すぐには回答できませんので、数日、お待ちください。

発熱時の対応 & 詰まりかけて咳き込んでいる時

  • 2019.06.20 Thursday
  • 00:19

 大阪の友香先生、お励ましの言葉をありがとうございます!


 遅くなってしまって、申し訳ありません。並木由美江先生からお答えはいただいていたのですが、掛札にまったく時間がなく…。吹田の事件、昨夜の地震など、その場その場で情報提供することや対応することがこのところ多くて…。今も夜中過ぎです。最近、睡眠時間と食事時間がきわめて圧迫されています…。

 

 そしてこのブログ、お尋ねにこちらがお返事をしても、その後、「答えを読みました」や「ありがとう」が近頃ほとんどありません。私も並木先生も、このブログやNPOのサイトに関しては完全にボランティアです。「でも、そのぶん研修会等でお金をもらっているのだろうから、返事をするのは当然」とお思いになるのかもしれませんが…。疲れてくると、だんだんキレてくる掛札です。ある日突然、この質問ブログやNPOのサイトがなくなったら「そういうことか」と思ってください。

 

ーーーまず、きむ先生からいただいたお尋ねです。−−−

 発熱の子どもの対応についてです。現在は、発熱したらアイスノンをしていますが、横になっていなかったり、嫌がったり、また、0才児など、バウンサーで寝ている場合、逆に危ないのかなとも。園内研修をする予定ですが、何が正しいのかわかりません。
脇を冷やすバンドもありますが、これは熱性けいれんを持っている子のみ、対処策で使用することがあります。
 アドバイスをよろしくお願いします。

ーーー並木先生のお答えです。−−−

 アイスノン等を使う目的には、2つあります。熱を一時的に下げるためと、気持ち良くしてあげるためのもの。
 熱を一時的に下げるには、クーリングポイントである脇の下、首の両側、足の付け根のあたりにあてますが、保育園では脇の下にクールパックなどを当てるのが一般的かと思います。「気持ち良い」と感じるためのものは、背中やおでこに当ててあげますが、本人が嫌がっている場合は無理に当てる必要ありません。
 熱性痙攣の既往の有無にかかわらず、本人が身体が熱くて冷やすのが気持ちよければ冷やしてあげましょう。ただし、発熱前、寒気がして手足が冷たいときは、まだ冷やしません。また、熱があっても横になっていなくても良いです。子どもにとっての「安静にする」ということは、その子の過ごしやすい時間の過ごし方ですから、絵本でもオモチャでも。
 もし、眠っているときは、貼っているものがはがれて鼻口をふさいでしまわないよう気をつけましょう。
 アイスノンを当てるときは、肩や背中の下になって身体を冷やしすぎないように当てますが、眠ってしまったら外しても良いです。頭を冷やすの同じ。こちらは「気持ちが良い」と感じるためのものですから。

 

ーーー次に、そら先生からのお尋ねです。−−−

 (掛札の研修会で)「のどに詰まり泣いたり、咳が出ているなら息をしている。だからまず観察して。いきなり背中を叩いたりすると息を吸い込んで、奥に入るから」と聞きました。私も、いままではすぐ背中を叩くようにと伝えていたので、目からウロコの情報でした。(掛札注:この1−7の中にある「誤嚥窒息時の注意」のことです。)
 その園内研修後、ベテラン保育士から「観察しているよりも先に、背中を叩く等の処置をがベストだと考える医療関係者数人から確認をとって来た」と。背中をたたくことで物は奥に入らない。観察ファーストは処置が遅れるので、それは違うのでは?と聞かれました。

 ここで、大事なことは子どもの命を守ること。それは互いに認識してます。
◯観察
◯具体的な処置
 どちらも必要ですよね。

 さて、そこで先生にお尋ねいたします。
 誤嚥の救急救命の、まず、することの行動を時系列で細かくご教授ください。

ーーー並木先生のお答えです。−−−

 観察は大切です。
 子どもが、食事中に、または遊んでいる時に急に咳き込んだら、異変に気づいたら、物がのどに詰まったかもしれないと疑い、まずすることは、他の人を呼ぶことです。
 この時、強い咳き込みができていれば、
)椰佑乏韻込ませる
 自分で取ろうとしているのを妨げないこととして、この時は(背中等を)叩きません。
 強い効果的な咳き込みができない(弱まってきた)場合、次に救助者(保育者等)が行う救命処置として、以下の2つの方法に移ります。この時119番通報もします。
 *この観察と判断は速やかにします

背中を叩く:ポイントは頭を低くしてたたくこと、ただし足をもって逆さにしては危険なのでやってはいけない。
J部突き上げ:へその上でみぞおちの下あたりを瞬間的に突き上げる。乳児や妊婦では、危険なのでやってはいけない。乳児は胸部突き上げ(胸骨圧迫)をします。
△鉢を繰り返し、異物が取れるまで行い、取れても医療機関に受診させる。
 取れないまま意識なしになったら、心肺蘇生を開始し、救急隊に引き継ぐ。
 この一連の救急処置において、なにより「観察あり」で初めて、速やかな手当てにつながることになります。乳児では、最初の観察から強い咳き込みができず、咳も出せないまま「ウッ」となっていたら、すぐに↓を行うことになります。今、どの状態なのか観察、判断し、今すべきことを知ってください。

 「流れ」に関するお答えとして、赤十字社の指導教本をお示しします(下の画像)。私たちはこれに基づいて指導しています。

 

(掛札補足:指導教本にある通り、「自分で咳をできる」場合は、「自分で咳をさせる」、つまり、咳き込むという人間の体が持っている自然な行動のじゃまを「叩くこと」でしてしまわない、ということです。後ろから背中を叩かれて驚き、その時に口に入れていたもの〜この場合はホットドッグの中のソーセージでした〜が喉に詰まり、植物状態になった子どもの事例も米国にあります。「背中を叩くことでモノは奥に入らない」という意味はよくわかりませんが、驚いた(または、驚いたのと同様の)状態になった結果、喉や気管にモノや食べ物が詰まった事例は多々ありますから、咳き込むことでせっかく出てきていたモノや食べ物が、背中をむやみに叩いていることでもう一度、喉や気管に入る可能性は否定できません。なにより、むやみに叩くことで観察がおろそかになる危険性があります。)
 

 

 

保護者の反応 & 少々お待ちください

  • 2019.06.09 Sunday
  • 11:37

そら先生、きむ先生、私(掛札)には答えられない質問なので、並木先生にお尋ね中です。少々お待ちください。

 

がみ先生、「プールをやめ、外遊びも暑さ指数を考慮して中止する」という内容に対する保護者の方の反応についてですが、一部の保護者の方が「残念」「やらせてほしい」「別の園にいる下の子はしているのに」とおっしゃるのは、当然のことです。人間にとっては目先の益(この場合は「子どもが楽しい」)が基本もっとも大切であり、そもそも起きるかどうかすらわからない害(熱中症や水死)は無視できるのです、認知上(『保育者のための心の仕組みを知る本』に書きました)。

 

でも、その親御さんのお子さんが亡くなったら? その親御さんは「私があれだけ言ったからいけないんです」とおっしゃるでしょうか? おっしゃる方もいるとは思います。でも…。そのお子さんが亡くなったこと、それも他人である保育園の責任下で亡くなったという事実は変わりません。子どもの命は失われ、保護者も保育士も傷つき(「傷つき」どころではありませんよね)…。

 

「価値とリスクのバランス」は常に重要です。ですから、私がお話をしたとしても、今でも大多数の園は「プール活動をする価値」「30度を超えても外遊びをさせる価値」を優先させているのでしょう。それがダメだという権利は私にも、誰にもありません。でも、ここ数年間の動向を考えた時に、保育園でお子さんが亡くなることのリスクが命以上に大きくなっていることは認識するべきだと私は考えます。そのリスクを、園が、先生たちがどうお考えになるか、です。子どもの成長と命に最終的な責任を負っているのは、保護者です(虐待等がない限り)。ですから、プールや暑熱下の外遊びという、子どもの命に園の責任が関わってくるリスク(と価値)は、保護者が自分の判断と責任下ですべきことです。

 

「このお母さん/お父さんを悲しませたくないから」、プールをする、暑熱下の外遊びをする、という選択は合理的でしょうか、子どもの命と育ちを保証するうえで。

 

もうひとつ。これはどんなことにでも言えることですが、人間は「これまで続けてきたことが変わること」に心理的な抵抗を示します(これも確か『心の仕組み』本に書いたこと…)。「ステイタス・クオ・バイアス(status quo=現状)」と呼ばれる認知の歪みです。入学、進学、就職、転職、結婚、離婚、なんでもそうです。人間は(生き物は)「変わること」が大嫌いなのです。一方、人間は変わってしまったら、けっこう早くその状況に慣れます。もちろん、このバイアスの強さも慣れの速さも個人差がありますが。

 

いかがでしょうか。

 

 

ヒヤリハット。嚥下のアニメ。おむつ児さんのプール

  • 2019.05.26 Sunday
  • 12:53

大津・市原の交通事故でバタバタ更新していたら、熱波(heat wave、「安全」の8−1と8−2)が始まってしまい、バタバタバタバタバタバタ…。遅くなってごめんなさい! お2人からご質問です。

 

1)まずは、りさ先生から

 研修で拝見した、人が飲み込むときを現したアニメーションが探せません。どこから見るのか教えてください。
 オムツ児のプールに関して、「プール用のオムツがダメとは書いてないのにダメなのか?」と医療職から質問がありました。プール用のオムツは尿がもれることがないとメーカーが応えているが、それは信用に値するのか疑問です。しかし、ガイドラインにも、プールオムツなら可能ともかいていないし、不可とも書いていません。どう説明しようか迷っています。
 

2)そして、青華先生からです。

 ヒヤリハットの事で質問なのですが、職員には「毎日必ず、ヒヤッとしてハッとすることがあると思うから、ヒヤリハットは簡単でいいので、必ず書いて」と伝えていますが、受け入れてもらえていないのか、ほとんど書いてもらえません。どうしたら、理解してもらえ、ヒヤリハットを書いてもらえるようになるのでしょうか? 「あなたの施設長としての力不足」と言われたラそれまでなのですが…。

 

1)りさ先生に。

 まず、嚥下のアニメは、「安全のトピックス」の1−7の中、「誤嚥窒息は大きく2つ:喉か気管か」の項にある「こちらのアニメ」というものです。

 おむつ児さんについてですが、その先生のご質問が逆です。「水に他児と入れるなら、プール用のおむつをはきなさい」とガイドラインに書いていないからダメ、なのです。厚生労働省が「これなら良い」と考えるなら「良い」と書きます。感染症ガイドラインではあちこちに「こうしなさい」と書いてありますよね。それが「良い」から「こうしなさい」と書いてあるのです。「良い」と書いていないということは「ダメ」ということで、「書いていないのだから良いではないか」と解釈して集団感染が起きたら園の責任になります。いかがでしょう。メーカーはもちろん漏れないと言います(熱中症予防には、イオン飲料を飲ませろと飲料企業が言うのと同じです)。では、それをうのみにして園が「ガイドラインには『良い』と書いていないのにプール用おむつをはかせて他児と入れ、集団感染が起きたら?」、「ガイドラインには『ダメ』と書いていなかったから」では負けます。

 

2)青華先生に。

 「施設長として力不足」なんて言いませんよ〜。ヒヤリハットは職員(保育士、看護師、調理師、管理栄養士等)みなにとって、「自分の失敗」と思われがちなので、出てこないだけです。失敗を自分から言いたいという人はいませんよね。そこの認知を変えていかなければいけないのです。

 「安全のトピックス」の「1-1. 日常の「気づき」を深刻な結果の予防に活かす」を全部お読みいただき、「落ちているもの」だけでもなさってはいかがですか? これはヒヤリでもハッとでもないから、出しやすいのです。

オムツ児さんのプール。監視に関するコメント

  • 2019.05.18 Saturday
  • 15:44

交通事故の記事書きばかりしていて、こちらがお留守になりました。ごめんなさい。

 

ーーー

まず、なおちゃん先生から、です。

「質問内容ですが、『オムツをしている児はプールに入れない件に関して』保護者への説明をする為に資料を集めていますが見つかりません。良き資料がありましたら、よろしくお願いたします。」

 

★NPOのサイトの1−7の一番最後のほうにあります厚生労働省の「感染症対策ガイドライン(2018改訂版)の30ページの一番上です。または、1−3の一番上の項目。この件は、いろいろ説明する必要はありません。「2018年に改訂された厚生省の感染症対策ガイドラインで〜となりましたので、水がたまった中には入れず、水遊びをします」で十分です。

 

ーーー

もうひとつ、さゆ先生から。

「私が就職した園では園長、主任、事務長が以上児用プール(実施はクラスごと)、2歳児用ビニールプールを分担して監視してくれています。保護者にはプール予定日であっても人手がないときは中止や泥遊びになると伝え、園長先生は自分が休みや出張の日は人手があっても泥遊びと言っています。(主任や事務長がいても)ありがたいです。
その分、掛札先生の記事で裁判で保育士に責任を押し付けた園長の話を読み、悲しくなりました。」

 

★園長先生が自ら監視をしているとのこと、「私/僕が責任をもってする」という態度をご自身で示しているわけで、素晴らしいと思います。ただ、園長先生がすれば監視は万全ではありませんし、園長先生が熱中症になる危険性もあります。園長先生、どうぞご無理なさいませんように…。

 

プール、暑さの質問2つ

  • 2019.04.28 Sunday
  • 14:14

連休が始まりました〜。先生たちも少しはお休みくださいね。

 

まずは、ふみこ先生から。

 園で研修内容の報告をした中で、プール活動を行う時の外気温について質問がありました。当園では、園庭の外気温が35度以上でもプールの上に日除けが設置してあるため35度以下になっていることがあります。子どもたちには直射日光はあたりません。その場合は、どちらの気温で考えたらいいでしょうか?

 

そして、ミミ先生から。

 園でもプール活動をどう考えるか話し合っています。その中で、「夏ならではの活動だから」「小学校はプールがあるので、経験させないと」「命を守るための経験として水に慣れるためにも必要(小学校では着衣水泳をしている)」という意見が出ています。これらの意見を私は理解できないのですが、うまく反論出来ないでいます。

 

ふみこ先生に。

 8−2の「外遊び、屋外活動の基準は?」以降に書いた通り、自分の園で明確に決めてください。どちらでもかまいません。両方をそれぞれに使ってもかまいません。とにかく決めて、それを守り、保護者にも伝えるということです。ただし、私は「35度」を判断の値にするというのは、あまりに高すぎると思いますが。8−2に書いた通り、私は「気温に5度足した温度が、子どもの気温」というのが一番簡単だと思います。よって気温35度は40度です。

 もちろん、それでいいと決めるなら、それでかまわないかもしれません。保護者には「高すぎる」と思う人もいるでしょうから、これまた8−2に書いた通り、「暑さカード」を作って「うちの子は入れないで」「出さないで」を言えるようにするべきです。

 逆に「とにかく外に出して」「プールに入れて」という保護者もいます。でも、その保護者の子どもたちに万が一のことがあったら? 「え、さすがに今日は出さない(プールに入れない)と思ってた」と言われます(人間の「後付けバイアス hindsight bias)です。だから、「出して」「プールをして」という保護者にも「あなたが許可した」という証拠をもらっておく必要があるのです、暑さカードで。

 

ミミ先生に。

 「夏ならでは」…はい。8−2の「暑さに人間は慣れていくのでは?」に書きましたが、アラビア半島の国では1年中、冷房を切りません。40度、50度で「暑さならでは」の活動を外でする人などいないのです。「夏」というものが変わりつつあるのです。今までの「夏」は6月や10月になるかもしれません。ですから、皆さんで8−2をお読みいただき、「夏」の定義を考え直してくださいとお伝えください。

 「小学校にはプールがあるので」…、昨年も、暑さのためにプールをやめた小学校が日本じゅうにあります。水のリスクや老朽化から学校でプール自体することをやめている自治体もあります。ミミ先生の自治体はそうではないのでしょう…。では、教育委員会、小学校は、「保育園、幼稚園で必ずプール活動をしてください」と言っているでしょうか。言っているなら、「小学校のために」という先生方のご意見は正当化されますし、プールで万が一のことが起きた時の責任の一端は教育委員会にもあることになります。教育委員会、小学校が「必ずしてください」と言っていないなら、保育園側が忖度(そんたく)してリスクを冒す必要はない、と考えることができます。

 「命を守るため」…保育園のプール活動は「泳ぎを教えるため」ではないと思いますから、「水に慣れる」という意味では水遊びでも、家庭で風呂に入ることでも、なんでも一緒です。プール活動はそのひとつにすぎません。そして、大事なポイントですが、水で死ぬのは「泳げない人」ではないということ。さらに、着衣水泳は特別な泳法ですから、水に慣れていさえすれば問題ありませんし、着衣水泳をできているからといって水に落ちた時に死なないわけではありません。

 

…と、まあ、論理的にはこの通りなのですが、要するに先生たちは「プール活動をやめたくない」わけです。ミミ先生のお立場がどのようなものかわかりませんが、あとはミミ先生が「ごめんなさい、私は絶対に自信がありませんので監視はできません」と言うしかないでしょうね。事故が起きた時には監視者の責任になりますから、「できない」「責任をとれない」人に監視をさせてはいけないので。それは4−4に書いてあります。

 

 2つのお尋ねをいただいてつくづく思うのですが…。人間は楽観バイアスの生き物ですから「うちでは熱中症死もプール死も起きない」と思うわけです。一方、人間はとにかく「これまでしてきたことを変えるのが大嫌い!」(現状維持バイアス、status quo bias)。

 でも、断言します。あと2〜3人、保育園、こども園、幼稚園でプール死亡が起きたら、あと2〜3人、保育園、こども園、幼稚園で熱中症死が起きたら、状況は突然変わるでしょう。この文化は、なにかあったら突然「右にならえ」なので(これはこれで大問題な文化)。プール死亡、熱中症死が起きる園が、私が知っている園、私がうかがったことのある自治体の園でないことを祈るばかりです。事故は確率的な事象なので、いつどこで誰に起こるかわかりません。でも、プールをやめればプール死亡という、園にとっても監視をしていた先生にとっても大きな責任になるできごとのリスクはゼロになります。そして、暑い日に外へ出さなければ、プールをしなければ、基本、熱中症死は起きません。睡眠中の異常や食事中の誤嚥よりも、予防はずっと容易なのです。「とてもじゃないけど、命の責任はとれない」、その気持ちのほうが「遊ばせたい」「プールをさせたい」より大きくなってくださいますように。

 

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