給食について(誤嚥のリスク) & 交通事故「加害者」に対する報道

  • 2019.08.18 Sunday
  • 10:15

 いろいろ追いつくべく、仕事とかけっこ中です。7月28日以降のお尋ねの方、もう少々お待ちください。順番に書いていきます!

 

1)まずは、「心配な保護者さん」からです。遅くなってしまって、ごめんなさい! こちらは幼稚園なのかな?とは思うのですけど、このような給食提供法というのを初めて聞いたのですが、他にも「小学校の調理室から給食が配食される」という園がありましたら、ぜひ教えてくださいませ!
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 コメントありがとうございます。先生のホームページで今後も勉強をして、安全に育児をしていくために参考にさせて頂きます。もう一点、ご相談があるのですが、もしお時間がありましたら教えてください。

 

 我が子の通う園では、給食が小学校との共同調理場で作られています。従って、提供される給食が小学生向けになっていて、内容に不安な点があります。以下です。
 

ー冓などに丸こんにゃく(一口大)のものが頻繁にでる
■姥ゼリーが出る
ブドウ(皮付き)が出る
ぅ宗璽察璽犬筌ぅフライが出る、です。

 

 先生のホームページを参考に、以上のものは窒息の恐れがあるという旨を伝えようと思っています(一度、園長先生に直接尋ねましたが、共同調理場では対応できないと言われたそうで、直接、管轄の教育委員会管理栄養士さんに問い合わせてほしいとのことでした)。

 

 小学校に隣接しているため、共同調理場からの給食の配給は仕方ないのかと思うのですが、共同調理場からの配給の場合は、給食ガイドライン(園児用)のものは適応されないのかな…などと思っています。

 

 以上の点以外でも、小学生向けの食材や調理方法や量という面も気になっています。3歳児もいる園なので、先生方もキッチンばさみを使って小さく切ったりとして下さっているとは聞きました。年少は今年度も補助の先生がついての指導になっています。年中と年長は保育士1人で対応しています。

 

 下の子どもが、窒息事故を起こしたこともあり、来年度の入園をどうしたら良いか悩んでいます。一度、教育委員会に問い合わせてみたいのですが、私の上げた食品の危険性を伝えて代替えしてもらうことが可能かを聞くことで十分でしょうか? 難しい場合、園でキッチンばさみを使って対応とのことですが、その場合は安全面で十分と考えて良いのでしょうか?

 

 何度も質問してすみません。よろしくお願い致します。
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 心配な保護者さん、何度お尋ねいただいても大丈夫です (^^)v お尋ねの件ですが、並木由美江先生にもお聞きしました。並木先生は保育園だけでなく、療育センターでも看護師をなさっていたのですが、弁当類は調理元では個人対応をしないので、療育の場合、施設に弁当が届いた段階でその子に合わせて切ったり刻んだりしていたそうです。先日、ニュースにも載せましたが、連携ミスで「切るはずの子どもの食事を切っていない」ということが起きないよう、非常に細かく確認をしていたとのことです。

 

ー冓などに丸こんにゃく(一口大)のものが頻繁にでる
△劼噺ゼリーが出る
ブドウ(皮付き)が出る
ぅ宗璽察璽犬筌ぅフライが出る

 

 1〜3は自園給食の保育園でも幼稚園でも出ています…(イカフライは聞きませんが、ソーセージは出ているかも)。ですから、園で心配している先生たちもいます。こんにゃくは丸じゃなくても、「んぐ」となるリスクはありますから、切ったほうがいいと思います。

 

 ひと口ゼリーは、小さいカップのものですよね。こんにゃくゼリーほど弾力性がないのでいいのではないかと言われますが、あれはスプーンですくって食べられる大きさではないために、どうしても、顎をあげて上を向いた状態で口の中に落とすような食べ方になりがちです。そうすると…。はい、ご心配はごもっともです。心配だからひと口ゼリーをやめたという園はあります。園でわざわざ食べなくてもかまわないタイプの食べ物ですから。死亡事例は聞いたことがありませんが…。

 

 ブドウは山中龍宏先生たちの「傷害速報」(日本小児科学会)を見ると、巨峰で死亡事例があります。ミニトマトと同じ材質、サイズですから(半分に切るべき)。デラウェアはけっこう先生たちが心配します。さやに入った枝豆同様、口の中に「飛ばす」ような形で食べるからです。かといって、幼児さんの場合、デラウェアを全部、皿に出してから食べさせるというわけにはいかず…。悩むところです。

 

 ソーセージは皮が噛み切りづらいという問題があり、小さく切っても詰まるリスクがあります(英国の保育園で輪切りのソーセージで死亡例あり)。その点ではイカ(フライでもなんでも)も同じです。

 

 「過去に誤嚥窒息を起こしたことがあり、咀嚼と嚥下にまだ不安があるので」とお伝えになって、「切ってください」と言う以外には方法がないと思います。代替えが可能とはあまり思わないので…。そもそも未就学児の食事を小学校の給食施設で作っているという時点で、自治体は安全や質ではなく、別のことを優先させているのでしょうから。

 

 おまけですが、小学校低学年にも誤嚥窒息のリスクはあります。学校給食のウズラの卵で亡くなった事例、白玉で亡くなった事例など。小学校低学年は歯の生えかわりで、それも奥歯が替わる時期です(年長時は前歯中心)。そうすると、奥歯で噛もうと思ったら奥歯がない…(本人もびっくり、ですよね)。この頃、ようやく「小学1年生の事故のリスク」が言われるようになってきましたが、それは誤嚥窒息も同じ。小学校に入ったとは言え、心理的にはまだ未就学児に近い。でも、環境は小学校で、本人も周囲のおとなも小学生の気持ち。この年齢はややこしいのです。

 

 もちろん、人間、いつかは必ず、丸こんにゃくも食べますし、ウズラの卵も丸のまま食べるようになります。「だから、園で出してもいいだろう」という理屈はありますが、私は「他人から預かっている子どもの命に対して、責任を負う危険をおかしてまで『練習』をする必要はないですよね」と言います。ただし、心配な保護者さんもずっと読んでいておわかりの通り、クラスの先生たちや看護師さんたちが(数人や一人)心配していても、園はそう簡単に変わりません(私立園であっても)。「安全」の5−3にも置いてあるこの兵庫県の事例集も参考に、園と話し合っていただけるとよいかなと思います。

 

 いかがでしょうか? また、結果をお知らせくださいね。

 

 

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2)さて、次、はまゆげ先生、お待たせしました! 
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 いつも大切な情報をありがとうございます。自園での具体的な取り組みにつなげています。今回は、とってもモヤモヤすることがあり、ご意見を伺えればと思い書き込みました。大津市での交通事故の裁判報道のことです(私自身、この事故には衝撃を受け、深い悲しみを感じています)。

 

 裁判の様子については、テレビをはじめ、様々なメディアでの報道がありました。そこで加害者(になってしまった)被告は、「罪の意識薄い」とも言われて(報道されて)います。

 

 以下、2019/7/18付日本経済新聞 朝刊より引用

「罪の意識薄い」 保護者ら悲しみ
 検察官が事故に巻き込まれた園児らの名前を1人ずつ読み上げると、法廷にすすり泣きが漏れた。保育園児ら16人が死傷した事故で17日に開かれた大津地裁の初公判。新立文子被告(52)は手元の資料に目を落とし、終始うつむいたままだった。

 白い薄手のシャツに黒っぽいズボン姿で出廷した新立被告は傍聴席を向いて一礼し、証言台へ。裁判長から起訴内容に間違いがないか問われると、小さな声で「ありません」と答えた。
保護者らの代理人弁護士によると、遺族や保護者ら少なくとも25人が傍聴した。新立被告は被害者参加制度を利用して検察側に座った遺族らと目を合わすことはなかった。
 「罪の意識が薄いのでは」。代理人弁護士は閉廷後に記者会見し保護者の声を紹介した。重傷を負い入院中の女児(3)の両親は「反省が見受けられない。言葉を交わせないなら態度で謝罪の意を示してほしかった」と話したという。
(引用終わり)

 

 社会的にとても大きな事故であったということは、もちろん承知していますが、この裁判に関する報道内容は、被告を抹殺(社会的にも、もしかしたら本当の意味での抹殺…自死?)してしまうものに思えます。こうすればよかった(これも無茶な話ですが)というものではなく、ただただ責めるだけの報道。大きな違和感を感じます。

 

 今回の事故は、罪の意識よりも、激しい後悔と申し訳ないという気持ちが出るのではないのでしょうか。(推察ですが。)

 

 登戸での殺傷事件は、明らかな殺意があっての”事件”。今回は不注意での”事故”です。日々交通事故・死亡事故の報道はされています。中には小さいお子さんが亡くなってしまった事故も少なくありません。が、今回ほど加害者を抹殺するような責め立てる報道はされていないように感じます。こんな、失敗をしてしまった人を責め立てる風潮に乗っかってしまっていいのでしょうか? (テレビ報道を目にした時にも感じましたが、決定的だったのは、この裁判の記事が当園を運営する本部から、わざわざメールで送られてきたことです。)

 

 ぜひご意見をお聞かせください。
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 以下、まったくの私見ですが…。大津の交通事故自体、当初は社会と報道側の不勉強ゆえに「物語」に仕立てあげられそうになりました(「なぜあんな所に子どもたちが?」「園庭がないなんて」等々)。そこらへんはネットの力のおかげで取り下げられました。記者会見で園長を泣かせるような質問をし、園長の号泣シーンを報道が撮って、「物語」が終息しました(それ以外は「交通事故」以外の物語性が報道の立場としてなかったからでしょう)。その後、「加害者」のほうへ報道の関心は移ったわけです。その後の市原の事故もあって、「保育士さん、ありがとう」という不気味な物語になりかけましたが、さすがに保育士さんたちがゾッとしたのでしょう、これも短めに終わりました。

 

 今は必ずしも「報道=マスコミ」ではないので、ネットも含めて「報道」と呼びますが、報道はとにかく「物語」がほしいのです。物語を読みたがっているのは、報道を読んでいる私たちも同じです。そして、物語に必要なのは、「悪者」ですよね。今回の「悪者」は、右折した車の運転者です。それだけのこと、と言ってしまったら悪いかもしれませんが、実際、それまでのことです。

 

 はまゆげ先生、ちょっと考えてみてください。この右折車の運転者が55歳の男性だったら、このニュースを読んであなたは同じように考えましたか? これが22歳の女性だったら? 22歳の男性だったら? おそらくはまゆげ先生の感じ方はそれぞれ違うはずです。実際、今でも私のまわりでは話題になりますが、あの記者会見で号泣した園長先生が男性だったら、社会はどう感じたでしょう? 逆に、あの女性の園長がまったく涙も見せず、理事長、副理事長と同じように淡々と回答したら? あるいは、同じ理事長、副理事長が号泣していたら? 「物語」に対する感情的な反応は人(=解釈の背景をいろいろ持った人たちそれぞれ)によって違うので、このようにひとつ条件を変えるだけで、はまゆげ先生の感じ方も、私の感じ方もまったく違うのです。

 

 ちなみに、交通事故は「事故」ですが、どんなに自動車自体の安全設備が良くなっても、対歩行者、対自転車に対する安全を確保する最後の砦は運転者です。そして、自動車は高速で走る鉄の塊であり、乗っている側には人を殺す力さえ与えるハザードです。右折で焦れば、あるいは注意を欠けば、玉突きで歩行者や自転車に害を及ぼすことを運転者は理解していなければなりません。私自身、米国で左折車(=日本で言う右折車)にぶつかられていますから、この点ははっきり言います。私がぶつかられていなかったら、こんなふうには言わなかったかもしれません(ね、違うんですよ、解釈する側の条件によって、人の認知は)。

 

 ところが、運転者は「大丈夫だろう」(楽観バイアス)を強く持って運転をしている。「大変なことになることもある」という事実を理解してもらうために、報道は重要です。

 

 最後。本人に「罪の意識が見られない」という部分ですが、心理学の視点からすると、本人もいまだに現実感がないのかもしれません。特に今回の場合、右折車は直接、子どもたちの中に突っ込んでいませんから、よけいにそうなのかもしれませんが、それ以前に、人間は非常にショックなことを体験すると現実感覚を失いますから(心が破綻するのを防ぐためのシステム)。この部分は、私の推測でしかありません。

 

 いかがでしょう?

暑さについて

  • 2019.08.12 Monday
  • 22:55

 まずは、明日からまた問題になるであろう「暑さ」について、です。他のご質問の方、本当にごめんなさい。もう少々お待ちください。

 

1)なえ先生から「暑さ指数を下げるために、ミストを使用したり、打ち水をして、暑さ指数を下げてまで、プールにする必要があるのでしょうか」。

 

2)すう先生から「水をまいたり、日陰をつくったりすることで、市内の観測地点のWBGT指数よりも園のWBGT指数のほうが若干、低くなる。それならプールや水遊びをしてもいいのではないかと言われるのだが、どうか。市の観測地点をもとに、市からは注意のメール等が来るのだが」。

 

3)tiny先生から「実測で暑さ指数が『危険』なら戸外遊びは中止としているが、水をまけばよいだろうと責任者が判断して、クラスが遊んでいた。保護者にも『計測は水をまいた直後に行う』と掲示している。自園に近い観測地点が『危険』でも、一時的に自園の環境が下がればいいという判断だが、これでいいのだろうか」。

 

4)下の「暑さ2題」にkana先生から「寒気」についてコメントをさらにいただきました。kana先生、ありがとうございます。体温調節機能が変調をきたすのでしょうね…。

 

ーーー

 では、お答え。というか、お答えにはならないと思いますが。

 

 掛札に書けることは、8−2の内容だけです。実際、「熱中症とみられる症状で子どもが搬送された」という園からの報告も聞いていますが、命には別状がないのでしょう、ニュースにもなりませんし(「園児を熱中症で搬送」というニュースはない。事実は起きているのに)、私が詳細を書くことも当然できません。

 

 私に書けることは、8−2の本文の最後、「『子どもが遊びたがるから』で死んだら?」以上にはありません。人間には「楽観バイアス」があります。「私たちの園は大丈夫」、そう思わなかったら保育なんてできるか!という状況なのはわかります。でも…。私と同じようにひどく心配している先生たちの園で、熱中症による死亡事故(やプールの水死←熱中症が原因で倒れたのかもしれない)が起きた時、ひどく心配している先生たちの心はもちろん、「きっと大丈夫」と進めた先生たちの心もつぶれるのが予想されるだけに、どうしていいのか、まったくわかりません。地球は暑くなっていますから、状況は悪化します。今年でなくても、いつか間違いなく、園でお子さんが熱中症で亡くなります。それまで、皆さんが(私も)心配しながら夏を過ごすのかと思うと…。

 

1)なえ先生、そう考える先生もいるでしょう。人間の「価値とリスクの判断」には一人ひとり、大きな差があります。

 

2)すう先生、観測地点よりも自園のほうがWBGTが低くなるというのは珍しいように思いますが、それは逆に、市に訊いたほうがいいと思います。市は、市の観測地点を元に話をしているわけで、実際に事故が起きた時には「どうして?」と言われるでしょう。その時に説明しても遅いですから、「私たちの園はこうなのですが」と、毎日の実測値を市の保育課に示してみてください。

 

3)tiny先生、8−2に書きましたが、「それでよい」と言う保護者の子どもは良い、とみなすしかないかもしれません。だから、「屋外活動カード」のようなものを作って「うちの子どもは、園の判断基準を下回ったら外へ出していい」と表明してもらうべきなのです。「心配だな」と思っている保護者はカードに丸をつけない、という消極的意思表明ができるのです。

 ただ、「厳重注意なら大丈夫」と書いていらっしゃるようにお見受けするのですが、下の項に書いた通り、救急医学会は「厳重注意でも、子どもの外活動は原則中止」としています。「それでも、『危険』ではないのだから、外遊びをする」と園が言うなら、それはそれまでです。私に言えることは。

 

 以上、「そもそもプール活動自体をするの?」という部分(1−7の後半)は不問に付して、暑さに関してだけお答えしました。暑さの中で、通常よりも体力を消耗するとわかっているにもかかわらず、どうして外遊びをさせようとするのか、私には理解ができません。8−2に書いた通り、気温が体温に近づけば体温調節は(おとなでも)できず、熱中症になります。一方、気温を28度かそれ以下に下げた室内で活動すれば、汗もかき、体温調節もできます。子どもの発達にとってはそれで十分です。「夏ならではの遊び」とか「夏はプール」「外で汗をかかなければ」といった「これまではそうだったのだから」では、急速に変化しつつある地球の気候のもとで子どもを守ることはできないのですが…。

 

 お答えになっていませんが、以上です。

暑さ2題:「危険」でもプール活動。「とにかくプールに入れて」

  • 2019.07.31 Wednesday
  • 22:01

 ちょっと原稿書き(保育団体さんとかの出版物用)がたてこんでいて、いろいろ遅れております。
 はまゆげ先生、考えてはいます! 心配な保護者さん、小学校の給食室で園の給食が作られているというシステム自体が不思議ですね、ちょっと並木先生にお尋ねしてみます。うさぎNSさん、典型的な新卒さんと言えばそうなんですが、対応となると…。少々お待ちください。

 さて、とっとと返事をしなければいけない、そして、お答えできる「暑さ」についてだけ!

1)さよりん先生(名古屋市)から。要約しますね。
 今日の暑さ指数が10時で31。自園の看護師に「プール活動は中止した方がいいのではないでしょうか?」と尋ねたところ、「学校と違って遮光ネットが張ってあるし、名古屋市では"暑さ指数によってプール遊びを中止しなさい"という決まりは出てないし、熱中症にならないように気をつけてやっているから」と言われました。
 名古屋市の公立保育園のほとんどの園長をはじめ職員の間では、「夏は晴れていれば熱中症の危険があってもプール遊びをする」というのが"常識"のようです。事故が起こらないとわかってもらえない世界です。名古屋市の公立保育園が危機管理意識が低いのか? 異を唱える私が細か過ぎでおかしいのでしょうか? ちなみに、名古屋市の公立保育園のプール遊びの監視役はパートさんに任せている園がほとんどです。それもどうなのかなぁと思っていますが‥。 
ーーー
 ご冗談でしょう?です。そうですね。誰か亡くなるまでわからない、という世界なのでしょう。監視役をパートさんに任せるという所もそうですが、水と暑さを甘く見すぎています。
 8−2の「資料」のリンクの所にも置いてありますが、昨夏、救急医学会が出した提言に、(子どもについては)「危険」でも「厳重警戒」でも、「 原則的には全ての授業での運動や課外活動を中止するのが望ましい。」と書かれています。「保育園のプールは、遊びであって、運動じゃない」と名古屋市の公立の園長先生(看護師さんすら!)強弁なさるなら私にはもう何も言えることはありません…。

2)たっきー先生から
 今年は計測器を購入して、使っています。連日の暑さで危険数値になるためプールは中止しています。このことは再三保護者にもお知らせはしていますので、「今日は暑すぎて出来なかったね」と理解をして頂いている保護者がほとんどです。しかし、医師であるお母さまから、「プールに入る前に経口補水液を飲ませ、遊んだ後も飲ませれば大丈夫。肩までプールに浸かっていれば良い。日よけをアルミの様なものにしたら…」等、「子どもがプールに入れないのは可哀そう。夜寝るのが遅くなる」と言ってきました。園としては、暑さ指数と監視体制が整わなければ行わないと何度も説明しています。以前からも園のルールを守らない方で、対応に苦慮しています。  
ーーー
 ある意味、話は簡単です。「私どもは、人様のお子さんの命を預かっている仕事をしているものですから、命の危険があるかもしれない時に無理をすることはできません」とだけ繰り返してください(Bー1の「プール活動を廃止することを伝える手紙」も同様)。この際、「申し訳ございません」と言う必要は一切ありません。毅然と「できません」とだけ言ってください。
 1−2の例5「暴力・殺傷事件の危険がある場合」にも書いたことですが、園がどんなに理にかなった説明をしても、または園の立場として説明を繰り返しても、「なんで!」と言ってくる人はいます。それは先生たちが間違っているからではありません。そう言いたい人は必ずいるのです。でも、他の大部分の保護者が「そうだよね。無理だよね」と言っているのですから、気にしないでください。自治体にも苦情がいくかもしれませんが、同じように繰り返せばいいことです。こちらが「子どもの命を守る」と言っているのに、「一人の親の言う通りにしろ」と言う自治体は(めったに)いないでしょうから。
 どんなことでも同じですが、少数の保護者の言い分にふりまわされてはいけません!! できないことは「できない」、しないことは「しない」と繰り返す、です。

与薬について(抗生物質、アレルギー用薬等)

  • 2019.07.21 Sunday
  • 22:49

 まず「心配な保護者」さん、ありがとうございます! コメントを書きました(6月9日)。

 はまゆげ先生、考えてます。少々お時間をください。むちゃくちゃ難しいテーマだ…。

 

 さて、本題。

 与薬について研修会でお尋ねをいただきました。ネット上でいろいろ調べたうえで、並木由美江先生(全国保育園保健師看護師連絡会前会長、日赤幼児安全法指導員)にも確認しましたので、お返事します。

 お尋ねを要約すると… 「抗生物質の与薬は(与薬すると)決まったものだからいいのだけれども、アレルギー用の錠剤(レスタミン等)や点眼薬、点鼻薬は『症状に応じて』と言われるので断っている。それでよいか」。

ーーー

1)まず根本的な条件は、なんであれ「医師が処方し、投与を指示したもの」であること。

 

2)抗生物質に関して。抗生物質は抗菌薬であり、ウイルスが原因となる手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱/プール熱、RSウイルス感染症等には効きません。ですが、いまだ医師の中には、「かぜ=抗生物質」という人がいるのも事実です。

 一方、黄色ブドウ球菌(とびひ)や溶連菌などは、菌に合った抗生物質を決められた期間つかうことで効果が得られますが、耐性菌も増えてきているそうです。また、急性中耳炎の場合、耐性菌がすでにかなり蔓延しているそうです。つまり、菌感染よる疾患であっても、どの菌なのか、耐性菌かどうかを確認して抗生物質を投与しなければ。意味はないということになります(この内容を保護者、医師に伝えられるかどうかは別として、事実は以上の通りです)。

 

3)(菌が合っていて、効果がみこまれるという条件のもと、)抗生物質は確かに、投与すると決められた時間に投与するという点が明確です。では、「症状に応じて」という薬(例:食物アレルギー用の錠剤、点眼薬、点鼻薬)は投与・使用するべきではないのか。

 これもまた、今、掛札が研修会でお話ししている「価値とリスクを天秤にかける」です。以下の通りに考え、私も並木先生も、「(抗生物質は朝晩投与で断ったとしても)アレルギー用薬は投与・使用してよいし、すべき」と考えます。

 

・アレルギー用薬を投与・使用する価値:かゆみや発赤を軽減することができる。

・アレルギー用薬を投与・使用することに伴うリスク:副作用。投与・使用する子どもを誤るリスク。

・アレルギー用薬を投与・使用しない価値:「これくらいなら使わなくてよかったのに」と言われるリスクがない。

・アレルギー用薬を投与・使用しないことに伴うリスク:子どもがかきむしったり、こすったりして状態を悪化させる。

 

 子どもはかゆみを我慢できませんから、かゆければかきますし、こすります。その症状を緩和する目先の価値は、(おそらく抗生物質と比べても)大きく、使用しないことに伴うリスクも大きい。一方、医師に処方されている薬ですから、その子どもで深刻な副作用が出ないということはわかっているはずです。もちろん、眠気などの一般的な副作用はありますが、価値を考えれば受容することのできるリスクです。

 では、投与・使用する子どもを誤るリスクは? 医師でも看護師でも薬剤師でも調剤・投薬ミスはします。保育園の職員がミスをしないなどということはありえないと社会は理解すべきです。かつ、保育園で預かる薬は、万が一、投薬ミスがあっても危険が大きくないものであるはずです(誤って飲んだ子どもにとっても、結果的に投薬されなかった子どもにとっても)。

 

 よって、「症状に応じて」という条件下で預かるアレルギー薬は、「価値>>>リスク」です。

 

4)問題があるとすれば、アレルギー用の錠剤や点眼薬・点鼻薬を処方されている子どもがアナフィラキシー様の症状を呈した時に、「この子は薬を処方されているし、アナフィラキシーではないはずだ」と考えてしまうことでしょうか。

 これまでアナフィラキシーを起こしたことがない子どもでも、突然、アナフィラキシーを発症することはあります。ですから、症状が強かったり、口のまわりや呼吸に異常がみられたりした場合でエピペンがないという時には、すぐに搬送すべきです。

アレルギー用の錠剤等は症状の寛快までに時間がかかるものですから、アナフィラキシーの場合に使用するものではありません。

 

 今回は、特にアレルギー用の薬の話でしたが、以上のように理屈で考えてみればたいてい解決できると思います。

 

 近々、発熱などの体調不良時のコミュニケーションのポイントについても、サイトのほうに書きますね…。熱が何度ならお迎えを要請するのかとか、熱がなくてもとか、医者が「登園していいと言っているけど」…とか、いろいろありますので。

 

 

詰まりかけの時+もうひとつ

  • 2019.07.08 Monday
  • 09:29

まず、「ついうっかりぼんやり」先生からのお尋ねです。「『見えない』を体験する実験」はこちらです。でも、これを先生たちが読んでしまうと、決して体験できませんから園長先生や主任先生だけがお読みになってやり方をわかっていただき、そして、先生たちに向けて実施してください。もうひとつ、プールの監視がどれほど難しいかは、「プール活動、水遊びの安全」の一番下のゲーム(うわの空になる自分を体験するゲーム)でも体験していただけます。

 

さて、タナカ先生からいただいた質問です。

 3歳児が食材(スープの具材のえのきか、鶏肉の香味焼き)をのどに詰まらせた時に保育士がおこなった処置についての質問です。

 保育士は2名いました。児に「口を開けてごらん」を声をかけると児は開口し、大きな声で泣き続け、顔色が真っ赤だったとのこと。保育士は児の喉に白色の塊を発見、児の背中を叩いたところ、食べた物を全部吐いたとのことでした。吐いた食材が喉に詰まって窒息した事例がある、と伺ったので、今回のような場合、どのような処置が適切だったのでしょうか。赤十字社の指導教本によれば咳を促すことになりますが、その男児の母親は、男児が食材をよく詰まらせる、といいます。男児の口腔内の形状、機能、嚥下の機能等を診ていただく必要もあるでしょうか。
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 並木先生にいただいたお答えです(つまり、息はできている(泣いている)ようだがむせていない(咳をしていない)という場合は、息はできていても「自分で出す」反射ができていないのだから、頭を下げて背中をたたくということになるようです。ここで大事なのは、気道内異物除去の方法通り、「頭が下がった姿勢にする」という点でしょう。

(以下、お答え) 

 咳はしていない、むせていない、泣いている、ということでしたら、乳児の場合、のどに詰まっている以外の可能性も考えられます。たとえば、口の中にワカメなどがへばりついたなどの違和感です。これでも泣くことがありますので、口の中を確認すること(あわてて指をつっこんだりはせずに、落ち着いて口を開けさせ、中を見る)。

 

 お尋ねのケースは3歳児、顔を赤くして泣いていたということですので、まず呼吸はできています。でも、詰まっている(詰まりかけている)かもと思ったら、頭を低くして背中をたたきます。頭を下げていれば、たたいた時に吐いた食材が喉に詰まる危険性は低いと思います。数回たたいても取れなければ腹部突き上げです。

 

4人の先生から、計5つのお尋ねです

  • 2019.06.30 Sunday
  • 22:24

 まず、サボコ先生、下のスレッドに、コメントありがとうございます。まだ、お返事書いてません〜。ごめんなさい。はなまる先生、下の下のスレッドにコメントありがとうございます。そちらにお答えしました〜 (^^)

 

 続いて4人の先生方から。ひとつひとつお答えさせていただきます。

 

1)カナ先生からです。

 いつも沢山の情報ありがとうございます。気持ちが緩みかけてしまうことも…。しかし新たな情報やニュースに気を引き締める毎日です。

 朝の食べ物について、何を食べたか、どれだけ食べたか、は子どもの様子を考える指標の一つだと思います。アレルギーの遅発反応や運動誘発性アレルギーについても何時頃に何を食べたのか、は大切な情報です。★牛乳アレルギーで朝コーンフレークにかけて食べてきて軽く症状がでた★という経験があります。保護者の方は大したことない等と暢気でしたが、預かる側としてはドキドキしたまま、お迎えを待ちました。「軽い症状」というのがとても厄介だと思っています。こんな程度で、文句を言われてもお迎えをお願いしていますが・・・。遅発症状というのか、その時は発疹・発赤程度でも後ほど下痢症状が止まらない等ということもあります。事例を知るほどにコワさを感じる食物アレルギーです。

 

お答え:はい、おっしゃる通り、家で食べている食事(食材)の情報はきわめて重要です。だから、私はてっきり、以上児さんたちも食事の内容を書いてきているものだと思っていたのです(8−2の中にある「午前の脱水」の話ですよね?)。牛乳アレルギーでコーンフレークに牛乳かけるなんて、たとえ遅発型でも危険なんですが、なんでそういうことをするのか…。理解できません。

 でも、のんきに「牛乳を口にしました」と言ってくれるだけよいのかも。発症して「家では食べていません」「園でしょう?」だったら、冤罪になりかねませんから。そのうち、そういう事例が出てくるんじゃないかと危惧している今日この頃です。園と違って、家でできあいの惣菜や弁当を食べていたら、実際、何を摂取しているかなんて、保護者もわかっていない可能性がありますし。

 

 

2)アキ先生です。再投稿、ありがとうございます!

 お忙しいのにお手間を取らせて申し訳ありません。質問を簡潔にする訓練と思って、再度送らせていただきます(汗。)昨年12月より、先生のHPを参考にした気づきボードを導入して参りました。件数はかなり集まっています。職員の意識も変わってきているのを感じています。その中で、よりよい集計の方法を教えていただけないでしょうか? 現在、トラブル・非トラブルに分け、単純集計をしています。先生方がもっと書きたい!となるような集計方法があればご教授願います。宜しくお願いいたします。(先生の睡眠、お食事の時間を優先してご返答ください。全然急ぎませんので…ご自愛くださいね)

 

お答え:アキ先生、「件数がかなり集まっている」とのこと、ぜひ一部だけでも拝見させてください。「こういうふうに分けるんですよ〜」ということをお伝えしますから。この視点がわかると、がぜん、「気づき集め」(1−1)はおもしろくなります。あとでメールしますから、気づきの個人名の部分を全部消して、スキャンしておいてください。場所(クラス名)は残しておいてください。同じ場所で同じことが起きているというのは、非常に重要な情報なので。

 他の園の皆さんも、気づきが集まったらおっしゃってください。これは実際に集めたものをもとに分類して考えるのが、最も効果的ですので。

 

 

3)おおしろ先生からです。

 乳幼児の睡眠時の横向き寝について質問をさせていただきます。私たち保育園では睡眠時うつぶせ寝・横向きはあおむけにするようにと職員会議などで決めて実施をしていましたが。勤務している看護師が「乳児の睡眠時ミルクなどの嘔吐などがあった場合は横向きで寝ている場合が安全なので、あおむけ寝と横向き寝は両方いいのではないか? 医療の現場では右位と左位という医療用語もあるので、横向きは危険ではないです」との意見を頂きました。
 色々とネットなどで情報を収集してみましたが、医療現場を経験している看護師に意見を言われてしまい、困惑している状態です。掛札先生のお書きになったトピックを活用させて頂き園内研修を行っていますが、上記の件について掛札先生のご意見を頂きたくコメントを送らせて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。

 

お答え:まず、子どもを寝かしつける時の体位は「あおむけで」というのは、欧米でそもそも家庭向けの突然死予防の呼びかけ(Back to Sleep。このbackは「背中」という意味)として始まったということをご理解ください。家庭で子どもを寝かしつける場合、その後、保護者も眠るわけですから、睡眠チェックはできません。横向きにしていたら、その後、うつぶせになる確率が上がります。だから、「横向きでもダメで、とにかく周囲に何もない状態で、タオル等もかけずにあおむけに寝かせましょう」と言っているのです。そして、もちろんこれは自分で自由に寝返りが打てるようになるまでの赤ちゃんの話です。自分で寝返りが打てるようになれば、自分で横も向くでしょうし、うつぶせにもなるでしょう。でも、家庭の場合、亡くなるのはたいていが寝返りのできない0歳児なので、寝返り後に何か起きても、そこはしょうがないわけです(保護者が眠れなくなってしまいます)。

 保育園では、保育士が一緒に眠ってしまうわけではありませんから、逆に横向きでもよいのかもしれません(睡眠チェックを確実に、5分おきにしているのであれば)。けれども、東京都の監査ではすでに「横向きはダメ」と言われているのです。これは、上の「家庭向きのアドバイス」をうのみにしたもので、確かに道理には合わないかもしれません。ですが、監査で指摘されているという事実を考えると、お子さんが横向きで寝ていて亡くなった場合、保育者、園の責任を問われかねない、そういう意味で、私や並木先生は「横向きも原則、ダメ」とお伝えしているのです。

 「うちは東京都じゃない」…、でしたらぜひ、ご自身の自治体の保育課にお問い合わせになることをお勧めします。自治体の言質をとっておくのです。看護師さんが医療の現場でどのように学ぼうと、残念ながら、今、保育の現場で言われていることは違う場合があります。自分たちで判断せず、自治体にお尋ねになるほうがいいと思います。

 「嘔吐している時や咳き込んでいる時は横のほうがいいのでは」とおっしゃる方は多いのですが、米国国立研究所のサイトには、「あおむけにしたからといって誤嚥や嘔吐が増えるわけではない」と書かれています(こちらのページの下のほう、赤ちゃんのイラストの真上)。

 この点で私がいつも申し上げるのは、「嘔吐していたり、せきこんでいたりしたら、集団の中で寝かせず、先生の横に置いたり、職員室に寝かせたりして、5分どころではなく、こまめにチェックしますよね。だから、その時にその子が自分にとって楽な体位(うつぶせ以外)をとることは当然だと思います」です。

 

4)最後、とやと〜先生です。2点。

 1つは職場の残業についてです。普通勤務で17:15に終わるところ、18:30、19:00....大きな行事が近くなると20:00......21:00.........22:00ということもあります。もう疲れきっていて、日中に事故が起こらないことを祈るばかりです。昨年度末には、早番7:00(実際は6:30に出勤)から22:00まで働き、残業代は2時間でした。やる気がなくなります。
 2つ目は、子どもたちを怒鳴る保育士がいることです。気に入らない行動をする子どもは怒鳴られます。誰もいない遊戯室で怒鳴って、そのまま子どもをひとりで暗い遊戯室に残します。何か事故が起こったらどうなるのか不安です。子どもたちは怯えており、隣のクラスに逃げてきます。廊下からその保育士の声が聞こえると物陰に隠れます。怒鳴る保育士は、もしかしたらどこにでもいますか? どうしてあれほどまで怒鳴るのか。一度壊れた子どもの心を修復できるのか心配です。

お答え:1については、労働基準監督署に労働時間の実態を報告することをお勧めします。報告しなければ、組織の問題は何も変わりません。もちろん、「誰が報告したんだ!」ということにはなりますが、不満を持っている職員はたくさんいるのでしょうから、その点は問題になりません。

 報告しても自治体が動かないというケースもあります、「職員で上司と話をしろ」と言われて終わり、というケースもあります。その場合、自治体に伝えた上で、不満を持っている先生方で一斉離職することを常に私はお勧めしています。そのような園は子どもにとっても保護者にとっても職員にとっても悪い園です(安全の側面だけでなく)。集団離職する日に、玄関に理由を書いた紙を貼るなり、保護者に配るなりしてください。マスコミは「一斉離職なんて!」と書き立てていますが、それは保育者のわがままではない、ということがそろそろ理解されつつあります。今なら、(よほどの過疎地でない限り)仕事はあります。たとえば、NPOの今年のニュースページで、「沖縄県読谷村」と検索すると、離職→保育園設立のニュースが出てきます。

 2については、その先生の音声を録音し、SNSのアカウント(適当に作ってください)で公開することをお勧めします。たとえば、NPOサイトの今年のニュースで、「SNS」で検索すると小倉で録画して投稿した事例、「録音」で検索すると熊本で録音して証拠として使った事例が出てきます。その保育士が運営者の親族だったりすると、運営者に言っても聞かないでしょう(この手のケースは山ほど聞きます)し、自治体も動かないでしょうから、最後の手段は「公表する」です。

 1も2も、いずれの方法も難しいことはわかっています。でも、運営側がそのような事態を放置していて、先生方が「これでは子どもにとってよくない」と思うのであれば、園を存続させることに加担するべきではありません。重大事故や職員の自殺、過労死といった事態に至った時、「なぜ、私たちは声をあげなかったのか」と後悔するだけですから…。

投稿のしかた

  • 2019.06.23 Sunday
  • 14:00

投稿(質問、コメント)の方法です。

どのスレッドのコメント欄でもかまいませんので、コメント欄を開いてください。スマホの場合、画面の下のほうの見づらいところに「コメントを読む、書く」があります。探してくださいませ〜。

 

名前を書いてください、あくまでもニックネームで。本名でもかまいませんが、新しい質問スレッドにする際は、掛札がニックネームにしてしまいます。誰かの投稿に対するコメントの場合は、本名ではそのまま「公開する」を押せませんので、ぜひともニックネームで。

 

コメントに質問を書いて、送信ボタンを押してください。すぐには表示されませんし、すぐには回答できませんので、数日、お待ちください。

発熱時の対応 & 詰まりかけて咳き込んでいる時

  • 2019.06.20 Thursday
  • 00:19

 大阪の友香先生、お励ましの言葉をありがとうございます!


 遅くなってしまって、申し訳ありません。並木由美江先生からお答えはいただいていたのですが、掛札にまったく時間がなく…。吹田の事件、昨夜の地震など、その場その場で情報提供することや対応することがこのところ多くて…。今も夜中過ぎです。最近、睡眠時間と食事時間がきわめて圧迫されています…。

 

 そしてこのブログ、お尋ねにこちらがお返事をしても、その後、「答えを読みました」や「ありがとう」が近頃ほとんどありません。私も並木先生も、このブログやNPOのサイトに関しては完全にボランティアです。「でも、そのぶん研修会等でお金をもらっているのだろうから、返事をするのは当然」とお思いになるのかもしれませんが…。疲れてくると、だんだんキレてくる掛札です。ある日突然、この質問ブログやNPOのサイトがなくなったら「そういうことか」と思ってください。

 

ーーーまず、きむ先生からいただいたお尋ねです。−−−

 発熱の子どもの対応についてです。現在は、発熱したらアイスノンをしていますが、横になっていなかったり、嫌がったり、また、0才児など、バウンサーで寝ている場合、逆に危ないのかなとも。園内研修をする予定ですが、何が正しいのかわかりません。
脇を冷やすバンドもありますが、これは熱性けいれんを持っている子のみ、対処策で使用することがあります。
 アドバイスをよろしくお願いします。

ーーー並木先生のお答えです。−−−

 アイスノン等を使う目的には、2つあります。熱を一時的に下げるためと、気持ち良くしてあげるためのもの。
 熱を一時的に下げるには、クーリングポイントである脇の下、首の両側、足の付け根のあたりにあてますが、保育園では脇の下にクールパックなどを当てるのが一般的かと思います。「気持ち良い」と感じるためのものは、背中やおでこに当ててあげますが、本人が嫌がっている場合は無理に当てる必要ありません。
 熱性痙攣の既往の有無にかかわらず、本人が身体が熱くて冷やすのが気持ちよければ冷やしてあげましょう。ただし、発熱前、寒気がして手足が冷たいときは、まだ冷やしません。また、熱があっても横になっていなくても良いです。子どもにとっての「安静にする」ということは、その子の過ごしやすい時間の過ごし方ですから、絵本でもオモチャでも。
 もし、眠っているときは、貼っているものがはがれて鼻口をふさいでしまわないよう気をつけましょう。
 アイスノンを当てるときは、肩や背中の下になって身体を冷やしすぎないように当てますが、眠ってしまったら外しても良いです。頭を冷やすの同じ。こちらは「気持ちが良い」と感じるためのものですから。

 

ーーー次に、そら先生からのお尋ねです。−−−

 (掛札の研修会で)「のどに詰まり泣いたり、咳が出ているなら息をしている。だからまず観察して。いきなり背中を叩いたりすると息を吸い込んで、奥に入るから」と聞きました。私も、いままではすぐ背中を叩くようにと伝えていたので、目からウロコの情報でした。(掛札注:この1−7の中にある「誤嚥窒息時の注意」のことです。)
 その園内研修後、ベテラン保育士から「観察しているよりも先に、背中を叩く等の処置をがベストだと考える医療関係者数人から確認をとって来た」と。背中をたたくことで物は奥に入らない。観察ファーストは処置が遅れるので、それは違うのでは?と聞かれました。

 ここで、大事なことは子どもの命を守ること。それは互いに認識してます。
◯観察
◯具体的な処置
 どちらも必要ですよね。

 さて、そこで先生にお尋ねいたします。
 誤嚥の救急救命の、まず、することの行動を時系列で細かくご教授ください。

ーーー並木先生のお答えです。−−−

 観察は大切です。
 子どもが、食事中に、または遊んでいる時に急に咳き込んだら、異変に気づいたら、物がのどに詰まったかもしれないと疑い、まずすることは、他の人を呼ぶことです。
 この時、強い咳き込みができていれば、
)椰佑乏韻込ませる
 自分で取ろうとしているのを妨げないこととして、この時は(背中等を)叩きません。
 強い効果的な咳き込みができない(弱まってきた)場合、次に救助者(保育者等)が行う救命処置として、以下の2つの方法に移ります。この時119番通報もします。
 *この観察と判断は速やかにします

背中を叩く:ポイントは頭を低くしてたたくこと、ただし足をもって逆さにしては危険なのでやってはいけない。
J部突き上げ:へその上でみぞおちの下あたりを瞬間的に突き上げる。乳児や妊婦では、危険なのでやってはいけない。乳児は胸部突き上げ(胸骨圧迫)をします。
△鉢を繰り返し、異物が取れるまで行い、取れても医療機関に受診させる。
 取れないまま意識なしになったら、心肺蘇生を開始し、救急隊に引き継ぐ。
 この一連の救急処置において、なにより「観察あり」で初めて、速やかな手当てにつながることになります。乳児では、最初の観察から強い咳き込みができず、咳も出せないまま「ウッ」となっていたら、すぐに↓を行うことになります。今、どの状態なのか観察、判断し、今すべきことを知ってください。

 「流れ」に関するお答えとして、赤十字社の指導教本をお示しします(下の画像)。私たちはこれに基づいて指導しています。

 

(掛札補足:指導教本にある通り、「自分で咳をできる」場合は、「自分で咳をさせる」、つまり、咳き込むという人間の体が持っている自然な行動のじゃまを「叩くこと」でしてしまわない、ということです。後ろから背中を叩かれて驚き、その時に口に入れていたもの〜この場合はホットドッグの中のソーセージでした〜が喉に詰まり、植物状態になった子どもの事例も米国にあります。「背中を叩くことでモノは奥に入らない」という意味はよくわかりませんが、驚いた(または、驚いたのと同様の)状態になった結果、喉や気管にモノや食べ物が詰まった事例は多々ありますから、咳き込むことでせっかく出てきていたモノや食べ物が、背中をむやみに叩いていることでもう一度、喉や気管に入る可能性は否定できません。なにより、むやみに叩くことで観察がおろそかになる危険性があります。)
 

 

 

保護者の反応 & 少々お待ちください

  • 2019.06.09 Sunday
  • 11:37

そら先生、きむ先生、私(掛札)には答えられない質問なので、並木先生にお尋ね中です。少々お待ちください。

 

がみ先生、「プールをやめ、外遊びも暑さ指数を考慮して中止する」という内容に対する保護者の方の反応についてですが、一部の保護者の方が「残念」「やらせてほしい」「別の園にいる下の子はしているのに」とおっしゃるのは、当然のことです。人間にとっては目先の益(この場合は「子どもが楽しい」)が基本もっとも大切であり、そもそも起きるかどうかすらわからない害(熱中症や水死)は無視できるのです、認知上(『保育者のための心の仕組みを知る本』に書きました)。

 

でも、その親御さんのお子さんが亡くなったら? その親御さんは「私があれだけ言ったからいけないんです」とおっしゃるでしょうか? おっしゃる方もいるとは思います。でも…。そのお子さんが亡くなったこと、それも他人である保育園の責任下で亡くなったという事実は変わりません。子どもの命は失われ、保護者も保育士も傷つき(「傷つき」どころではありませんよね)…。

 

「価値とリスクのバランス」は常に重要です。ですから、私がお話をしたとしても、今でも大多数の園は「プール活動をする価値」「30度を超えても外遊びをさせる価値」を優先させているのでしょう。それがダメだという権利は私にも、誰にもありません。でも、ここ数年間の動向を考えた時に、保育園でお子さんが亡くなることのリスクが命以上に大きくなっていることは認識するべきだと私は考えます。そのリスクを、園が、先生たちがどうお考えになるか、です。子どもの成長と命に最終的な責任を負っているのは、保護者です(虐待等がない限り)。ですから、プールや暑熱下の外遊びという、子どもの命に園の責任が関わってくるリスク(と価値)は、保護者が自分の判断と責任下ですべきことです。

 

「このお母さん/お父さんを悲しませたくないから」、プールをする、暑熱下の外遊びをする、という選択は合理的でしょうか、子どもの命と育ちを保証するうえで。

 

もうひとつ。これはどんなことにでも言えることですが、人間は「これまで続けてきたことが変わること」に心理的な抵抗を示します(これも確か『心の仕組み』本に書いたこと…)。「ステイタス・クオ・バイアス(status quo=現状)」と呼ばれる認知の歪みです。入学、進学、就職、転職、結婚、離婚、なんでもそうです。人間は(生き物は)「変わること」が大嫌いなのです。一方、人間は変わってしまったら、けっこう早くその状況に慣れます。もちろん、このバイアスの強さも慣れの速さも個人差がありますが。

 

いかがでしょうか。

 

 

ヒヤリハット。嚥下のアニメ。おむつ児さんのプール

  • 2019.05.26 Sunday
  • 12:53

大津・市原の交通事故でバタバタ更新していたら、熱波(heat wave、「安全」の8−1と8−2)が始まってしまい、バタバタバタバタバタバタ…。遅くなってごめんなさい! お2人からご質問です。

 

1)まずは、りさ先生から

 研修で拝見した、人が飲み込むときを現したアニメーションが探せません。どこから見るのか教えてください。
 オムツ児のプールに関して、「プール用のオムツがダメとは書いてないのにダメなのか?」と医療職から質問がありました。プール用のオムツは尿がもれることがないとメーカーが応えているが、それは信用に値するのか疑問です。しかし、ガイドラインにも、プールオムツなら可能ともかいていないし、不可とも書いていません。どう説明しようか迷っています。
 

2)そして、青華先生からです。

 ヒヤリハットの事で質問なのですが、職員には「毎日必ず、ヒヤッとしてハッとすることがあると思うから、ヒヤリハットは簡単でいいので、必ず書いて」と伝えていますが、受け入れてもらえていないのか、ほとんど書いてもらえません。どうしたら、理解してもらえ、ヒヤリハットを書いてもらえるようになるのでしょうか? 「あなたの施設長としての力不足」と言われたラそれまでなのですが…。

 

1)りさ先生に。

 まず、嚥下のアニメは、「安全のトピックス」の1−7の中、「誤嚥窒息は大きく2つ:喉か気管か」の項にある「こちらのアニメ」というものです。

 おむつ児さんについてですが、その先生のご質問が逆です。「水に他児と入れるなら、プール用のおむつをはきなさい」とガイドラインに書いていないからダメ、なのです。厚生労働省が「これなら良い」と考えるなら「良い」と書きます。感染症ガイドラインではあちこちに「こうしなさい」と書いてありますよね。それが「良い」から「こうしなさい」と書いてあるのです。「良い」と書いていないということは「ダメ」ということで、「書いていないのだから良いではないか」と解釈して集団感染が起きたら園の責任になります。いかがでしょう。メーカーはもちろん漏れないと言います(熱中症予防には、イオン飲料を飲ませろと飲料企業が言うのと同じです)。では、それをうのみにして園が「ガイドラインには『良い』と書いていないのにプール用おむつをはかせて他児と入れ、集団感染が起きたら?」、「ガイドラインには『ダメ』と書いていなかったから」では負けます。

 

2)青華先生に。

 「施設長として力不足」なんて言いませんよ〜。ヒヤリハットは職員(保育士、看護師、調理師、管理栄養士等)みなにとって、「自分の失敗」と思われがちなので、出てこないだけです。失敗を自分から言いたいという人はいませんよね。そこの認知を変えていかなければいけないのです。

 「安全のトピックス」の「1-1. 日常の「気づき」を深刻な結果の予防に活かす」を全部お読みいただき、「落ちているもの」だけでもなさってはいかがですか? これはヒヤリでもハッとでもないから、出しやすいのです。

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