プールに関する心配。ロッカーのハサミ

  • 2019.04.10 Wednesday
  • 10:17

新年度、皆さん、お忙しくなさっていることでしょう。今日あたり、東京はかなり寒いのですけど、これが突然、暑くなり始め…るんじゃないかと心配しております。あ、うさぎNS先生、下のスレッドにお返事、書きました。

 

さて、2つ一緒に。

1)園のプールが心配な保護者の方から。いずれもありがちな条件ですが簡単にまとめると、「小学校低学年も使うプールなので、胸ぐらいまで水位がある子もいる」「2クラス50人近くが、自由に遊んでいる写真を見た(年中と年長が合同)。先生は2人写っていた」。年末の園のアンケートにこうした内容を書いたところ、「気をつける」という回答だった。具体的な対応を聞こうと思うのだが…ということでした。

 

2)ゆー先生から。自分のロッカーに置いてあるハサミで、ロッカーにあった友達の服を切った子がいる。切られた子どもの保護者に弁償をするべきか。

 

1)まず、プールについて心配なさっている「保護者」さんへ。

 監視は「指導とは別に置き、監視にのみ専念する」と決められているだけで、人数までは決まっていません(内閣府のガイドラインも、その後の通達も)。水位は深ければリスクは上がるでしょうけれど、鼻と口を覆える深さなら、水深数センチでも息はできなくなりますので、「浅くしたから安心してください」と言われても、安心はなさらないほうがいいと思います。

 問題は、とにかく人数です。低学年が使うサイズのプールを想像して、そこに45人が一緒に入っていると考えたら、おとなが何人かかって外で監視に専念していても、みつからない時はみつからないでしょう。それは、こちらの「ライフガードの実験」に書いてある通りです。また、こちらのページの最後にある「うわの空になる自分を体験するゲーム」を見ていただければ、45人なんていうのはとんでもないということがおわかりいただけると思います。これまで、お子さんが亡くなったり、亡くならないまでも溺れたりした事例は、ほぼどれも30人前後を入れています。20人でも、監視1人、指導1人では足りないでしょう。それに、そもそも2人では足りないのです。「トイレに行きたい」と言い出す子もいますし、プールの外で遊び出す子どももいるでしょうから。

 「じゃあ、何人なら安全?」「何センチなら安全?」としょっちゅう聞かれますが、私はいまや「プールは、園長、理事長、監視者が責任をとりきれないと思うなら、やめていいです」と申し上げていますので、「何人なら」「何センチなら」は言いません(それで亡くなったら私の責任も問われかねないからです)。まして、去年のように暑かったら…。

 もしも私が同じ立場にある保護者だったら、「人数を〇〇人に減らす。指導は〇人、監視は〇人。監視は内閣府のガイドライン通り、監視に専念する」という具体的な説明がない限り、「うちの子はプールに入れないでください」と言うでしょうね…。そして、その説明は、万が一の時のために紙に書いて「これでいいですね」と園に見せるか、「録音させてください」と言って録音するか、どちらかをすると思います。

 

 水位が高くても、50人で入っていても、監視ナシでも、たいてい深刻事故は起きません(だから、その園も「大丈夫」と思ってきたのです)。でも、水位が低くても、30人でも、監視がいても深刻事故は起こり得ます。そして、プール事故の場合の生死は、「早くみつけるかどうか」だけにほぼかかっています。私は、「保護者」さんがおっしゃっている心配は杞憂でもなく、過剰反応でもないと思います。2年に1度は、園のプールで死亡事故が起きているのですから。

 

 あ、そうか。この例を出しましょう。子どもと一緒に外出する時、子どもにリード(綱)をつける親御さんがいます。それを見て、通りがかりの赤の他人が「犬みたいに子どもを扱って。ひどい親!」と言うことがあります。そう言われるのが心配でリードを使いたいけど使えないという保護者の方には、「私の子どもの命を守るのは私です。あなたにとやかく言われる筋合いはありません」と言って、とお伝えします。こちらの5−4の第4回。

 お子さんを園のプールに入れなければ、お子さんが園で死亡事故に遭うこともないので、「私が考え過ぎだったのかな」と卒園の時には思うでしょう。でも、入れていたら、どうなっていたかわからない(たいていは大丈夫ですが、運を天に任すかどうかは、保護者次第。まして、園が運を天に任せてはいけない)。これが、不慮の事故の怖いところです。

 

2)はい、ゆー先生がおっしゃる通り、まだ年長さんではないから、ハサミは集めて先生が管理しておいたほうがよかったのかもしれません。でも、「弁償をします」とこちらから言うべきではありません。子どもにとっては、ハサミというのはおもしろいものですし、きっとクラスで「切る」をしていた後だったのでしょう。子どもの活動を説明して、「ハサミは担任が管理します」と言うだけにとどめるべきです。

 なぜか。こちらのB-1の「感染症時期の衣服に関するお願い(2017年12月21日)」にも書いた通り、園では泥遊びも色水遊びもし、嘔吐でもなんでも起きます。それはどこの子も、です。だから、汚れても切れても、最後は捨ててもいい服で保育時間を過ごせるようにすることが大事なのです。「帰り道に出かけるから、帰りにはこの服を着せたい」というのであれば、袋か何かにしっかり入れてロッカーにしまうか、保護者が持ち歩くかすればよいことです(この事例について説明する掲示を作り、そのように保護者全員にお伝えすることをお勧めします)。

 もうひとつ。弁償は前例になります。「うちの子の靴がなくなった」「タオルがなくなった」…。前例は次の事例を生みます。

コメント
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  • 2019/04/11 10:31 PM
心配なさっている保護者さん、お返事ありがとうございます。はい、あなたの心配は決して杞憂ではありません。それと…
1)ミニトマト栽培については、こちらをご覧ください(安全の7−1)。
https://daycaresafety.org/topics_food_choking.html
2)プールに関しては、暑さの問題もあります。こちら(安全の8−2)の中に、「保護者にこういう形で選択をしてもらって」という手紙があります。こちらもどうぞご参考に。
https://daycaresafety.org/topics_heat.html
  • かけふだいつみ
  • 2019/04/14 12:50 PM
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  • 2019/04/19 11:16 AM
心配なさっている保護者さんへ。

人間のリスク認知は、個人によって大きく違います。また、この文化の場合、「他の人は園の言う通りにしているのだから、なにかを言うのもはばかれるなあ」と思って、心配ではあっても口に出さない人がたくさんいます。

非常にリスクの高い活動をしていても、まずめったに死亡事故は起きません。でも、起きる時は起きます。それがどこで、誰に起きるかは、誰にもわからないのです。

暑さもあるわけですし、私は今の時代、園が(泳げるようになるわけでもないのに)リスクの高いプール活動をする必要はないと思っています。水遊び、泥遊びのほうがよほど創造性も想像性もありますから。
  • かけふだいつみ
  • 2019/04/20 7:54 PM
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  • 2019/04/25 9:32 PM
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