「丸のミニトマト」と「プールに水を残しておくこと」
- 2018.07.25 Wednesday
- 22:23
下の何某先生からの事例共有にも、ぜひ皆さん、書き込んでくださいませ!
こちらはご質問が2つ。
まずは、蘭子先生からのお尋ねです。
「先日、先生の研修を受講させて頂きました。その中で、保育園でミニトマトを丸ごと出す事は、いけない。と言う事で、園に帰り栄養士と話す中 決められたものがあるのか?と、討論し続けています。周りの園も、出している。栄養士は、知ら無い、聞いた事無いと言われました。定められているものがあれば、教えて下さい。」
(お答え)
サイトのこちらのページになります。2016年の内閣府のガイドラインに、「過去に、誤嚥、窒息などの事故が起きた食材(例:白玉風のだんご、 丸のままのミニトマト等)は、誤嚥を引き起こす可能性について保護者に説明し、使用しないことが望ましい。」とあり、それに対し私は、「ガイドラインに掲載された以上、丸のままのミニトマトや白玉(風の団子)で誤嚥窒息し、死亡や後遺障害が起これば、社会的責任を強く問われかねません。ですから、食事のミニトマトは半分に切る(面倒なら大きいトマトを角切りなどにする)、白玉(風の団子)は避ける、です。」とそのページに書きました。
「ガイドラインは法律ではない」と言われれば、それまでです。けれども、ガイドラインに書かれているということは、「国としてはリスクを認識して園に伝えた」ということになります。よって、万が一、誤嚥窒息死亡が起きたら、「国がすでに伝えたのに、なぜ園は出していたのか」という話(園の社会的責任)になるわけです。この点において、白玉と丸のままのミニトマトは、他の食物とは違ってしまっているということなのですが…。いかがでしょうか。言ってみて伝わらないようでしたら、またおっしゃってください。
けっこう、丸のままのミニトマトは大変なのです。一度はやめても自治体の管理栄養士さんが替わると復活したり、「かわいいから」と出すようになってみたり…。形状的には超危険なスーパーボールと同じで、最高に詰まりやすいものなのですが。あ、スーパーボールの誤嚥窒息はこちらのページの「玩具等による窒息事例」項の後半に事例が載っています。
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もうひとつ、あいす先生からのお尋ねです。
「保育園で日中使用したプールの水が、夕方まで残っていることについてです。
現在、保育園に子供(3歳)を通わせております。その園の一角に、コンクリートでできた、タイル張りのプールがあり、園児は毎日水遊びをしています。このプールには、柵や塀などは一切無く、物理的には、よちよち歩きの子でもプール際まで歩いていくことができます(実際は、0〜1歳児クラスは園庭内の頑丈な柵の中で、遊んでいます。しかし3歳児以上クラスが園庭で遊んでいる場所とプールを隔てるものは何もありません。3歳児以上クラスが園庭で遊んでいる場所の隅っこにプールがある状況です)。また、プールから3〜4メートル離れた場所に門があり、門付近では当然、大人・子供が行き来します。
このプールには16:00頃まで水が張られており、16:30頃には空になっています。排水に難があるわけではなく、夕方、プランターに水やりする目的で、わざとプールに水を入れたままなのだそうです。
親として、この状況に不安を感じています。担任の先生には、「プールに水を残しているのが心配」と率直に、明るくさらりと伝えましたが、「猛暑のため、園庭で遊ばせていないので、大丈夫ですよ〜」とのことで、話は終わってしまいました。しかし、猛暑日で無くなったら、プールの水を抜くのかどうかは、わかりません。それに不測の事態が起こるのが、事故ではないかとも思います。そう思う一方で、他の保護者に話してみると、気にしていない人が多く、私が神経質なのかな?とも思いました。
掛札先生は、上記のような状況は、危険だと思いますか?すぐにでもやめていただくべき状況でしょうか?
(お答え)
2012年8月23日、茨城県五霞町で水を張ったまま放置されていたビニールプールで3歳のお子さんが亡くなりました(こちらで 五霞町 で検索してください。その後、2014年と2015年のニュースにも訴訟等の話が載っています)。2013年10月16日、静岡県富士宮市で水が張られた状態のプールで1歳4か月のお子さんが亡くなっています(こちらで 富士宮 で検索してください)。
ですから、私はあいす先生の懸念が「神経質」だとは思いません。園庭で遊ばせていなくても、なにかの拍子に園庭に出てしまう子どもはいますから(2016年11月、福岡市で起きた雨水ますの溺水事故も)。まずは、「こうした事故も起きていますけど、園庭で遊ばせるようになったら、水をもっと早く抜きますか?」と、先生がおっしゃる通り明るくさらりと(←大事です!)聞いてみてはいかがでしょうか? その後の話もお教えください!
また、ご報告させていただきます。
あと、私は先生と呼ばれる職業の者ではありません。
先生とつけていただき、恐縮です・・・・(^^;)
そこで、ご報告ですが、結論から申しますと、水抜くことになりました。
実は質問させていただいた後、保育園にお迎えに行くと、猛暑のため室内で遊んでいるはずの園児が一人、部屋を抜け出し外に出ていくところを目撃しました。
また、その翌日には気温が下がったため、年中・年長さんのみですが、子供たちが園庭で遊んでいました。プールには水が入っていました。
すぐに行動した方が良いと思い、この日、園長先生(先日プールについて尋ねてみた先生とは別の方です)に「プールに水が入っているのが心配で・・・」と切り出したところ、こちらがそれ以上話をする間もなく「抜きます。すみません。」と言って下さいました。
あっという間に解決したので、びっくりしました。
園長先生は、水の怖さをご存じだったようです。毎日の流れの中で見えなくなってしまい、外部から指摘されて初めて気が付くときがある、というようなことをおっしゃっていました。わかってはいても、ミスをするというのが人間なのでしょうか。
また、ご紹介いただきました、過去の事故もプリントアウトしてお渡ししました。
この度は本当にありがとうございました。
あいすさんがもうひとつお書きになっていた非公開の内容も、同じです。朝の受け入れが全員、同じ部屋、というのは、いまどきけっこう当然です。だからこそ、みんなが静かにすごせるよう環境を整えることが大事です。職員も最低2人はいないと危険ですしね。
保護者の方の中には、「危ないと思うけど、園に言えない」という方がたくさんいます(保育士さんであっても、自分の子どもが通っている園には言えないというケースが多々あるのです!)。一方で、本当に「どうでもいいこと」を園に言ってくる保護者の方もいます。保育園側も、このあたりの峻別に苦労していて、「何か言われたらクレーマー!」と思い込んでしまう場合すらあります。園として活かせる意見はどんどん取り入れる、集団保育として限度を超えている要求は毅然と断る、そういうお話もしているのですが、この切り分けが難しいケースもありますね…。
ともあれ、いつでもなんでもおっしゃってください!
私は保育園に来てから「伝え方」の難しさを様々な場面で感じています。そんな中で、一人職のため自分に関わることは自分が何とかすればいい、我慢すればいい、と伝えるのをやめてしまう事もありました。
でもこのスレッドを拝見させていただいて、伝える勇気を持つことができました。どんな事かと言うと、私の保育園ではプールに水を溜め始めたら、最後の片付けまで必ず職員(主に看護師)が常に水の番をします。今年の酷暑の中、準備から片付けまでの約2時間、休憩なしの炎天下で毎日仕事をするのは、体力が低下しつつあるアラフィフの私にとって、体調管理の限界でした。
昨年までも何度も途中でほんの少しでいいから、休憩をさせてほしいとお願いしてきましたが叶わず、もうこの仕事は今年で最後にしよう...とあきらめかけていたんです。しかし先日、勇気を持って「途中で5分10分でいいので、涼しい所で休ませてほしい」と園長に伝える事ができました!本気で検討していただけるか?実現するか?はお盆明けになりますが、自分の園を信じてみようと思っています。
みなさんの園は、酷暑の中の監視体制、準備から片付けも含めて、どのようになさっておられますか? 掛札先生が心配されている通り、ほとんどの保育園は、なんらかの対策をして、プール活動を続けていると思います。ちなみに私の園では、時間を早めたり、一日2クラスのみにしたりして、11:00までには終わるようにしています。監視は交代なしです。