こちらもボチボチ復活させます…

  • 2020.06.21 Sunday
  • 23:07

皆さま、

 

 1か月半以上、留守にしてしまってごめんなさい。2月末から、仕事が全キャンセル、3月下旬にFacebookページ開設、5月に入って、「もうこれはどうしようもない」とリモート研修会を始め…。やっとリズムができてきました。リズムといっても、今まではひたすら外出していたのが、今はひたすら家にいるだけですが・笑。でも、生活リズムは180度変わってしまったので、まだなかなか…です。

 

 皆さま、Facebookページを読んでくださっているのだと思いますけれども、確かにあちらには書けないこともありますし、こっちも定期的に見るようにします! ごめんなさい。

 

 m先生、「除菌」の件は…、はい…一応、文部科学省の「噴霧禁止」とNITEの「次亜塩素酸水に対コロナ効果は認められない」で落ち着いたと思います。業界団体は反論しているようなので、今後どうなるかはわかりませんが。厚労省が「次亜塩素酸水はコロナに有効」と? いやいや…。NITEの結果を読んでないんでしょうかね…(ため息)。

 

 ちょも先生、感染者がこの間、まったく出ていない地域はほぼ通常開所だったようですが、そうではない大部分の地域は、6月が新学期になってしまいました。こればかりはどうしようもないですね…。結局、世界で日本だけがシステムとして保育園を開所し続け、まあ、経済はそれなりに維持できたかもしれませんが、園の先生たちの精神的犠牲は…。文科省の指針も現実性がありませんし、「園ごとにやってね」で終わりになっています。このまま、だらだらなし崩し的に進むだけだと思います。先日の横浜の事例のように「消毒したらすぐ開所」と言う自治体は増えるのでしょうし、言われた通り、開所してしまう園も出てくると思います。とことん、「子どもや職員の命より、経済(=保護者)」なのだなと。

 

 よう先生、幼稚園は保育園と文化が違っておりまして…。もちろん、「頑張る!」な保育園もあるんですけど、やっぱり未満児さんがいると無理は無理なんですよね。幼稚園はある程度、子どもも頑張ってしまうから…。あとはどうしても「小学校の前」という意識が強いのでしょうか、「子どもが〜できるように」が大きいのかなあと。とはいえ、私のまわりにも幼稚園の園長先生はいらして、コロナ以前から「無理をしない」方向へ変わっている方はいるのですが…。先生、Facebookページのコメントの返事でも時々書いていますが、つらかったら転職していいんですよ。今日の配信でも言いましたが、今のような「危機」の時には、人間の本質的な部分が見えてきます。その中で「ああ、これはダメだ」と思ったら、そこで「頑張る」ことをやめるのも一つの方法です、ほんとに。いまどきは「コロナについてどういう対応をしていますか?」と面接で聞くこともできますし…。なにより、「そうか。辞めるという手もあるんだ」とわかって、気持ち(感情)を少し切り離して仕事をするだけでも楽だと思います。

 

 みつ先生、搬送や受診が難しくなることを考えたら、去年や一昨年以上に熱中症予防をする。それと同じで、ケガを物理的に減らす手立てを考える必要もあるのかもしれません。たとえば、高い所へ登れば、落ちた時のケガはひどくなる確率が高いわけですから、熱中症がおさまるまでは跳び箱をやめるとか…(熱中症がおさまれば、とりあえず搬送状態は少し改善されるでしょうから)。あとは、どこかで言った/書いたような気がするのですけど、どこだか忘れました…けど、保護者に「熱中症の時期であり、新型コロナウイルス感染症の流行も続いていますから、受診自体、ご心配かと思います。ですので、すり傷、切り傷程度のケガの場合、これまではすぐに受診していましたものにつきましても、保護者の方のご判断をいただきます」と言っておくのは大事だと思います。つまり、救急車を呼ぶようなケガ(重傷、頭やおなかを打った、など)以外は、保護者の判断にするということかなと。

 

 はなまる先生、私は子どもの心理はわからないので、子どものストレスについてはなんとも…。アロマを虫よけとして吹き付ける件ですが、保護者がそれでいいと言うならよいと思います。他のスプレーも結局、吹き付けていますし、空気中に「噴霧」しているわけではありませんから(それを言ったら、他にアルコールを吹き付けるのもダメという話になってしまい…。もちろん、顔を直撃しないようにアルコールは手に付けるべきなんですが…)。ただ、「アロマ=安全」というのは間違いです。アロマも化学物質ですからアレルギーを起こす人はいます。においで頭痛等を起こす人もいます。そのあたりは、こちらの2018年6月4日「虫忌避(虫よけ)剤について」をお読みくださいませ〜。お手紙のひな型も置いてあります。

https://daycaresafety.org/topics_hinagata_dc.html

午睡中のスタイ、マスク、補助金

  • 2020.05.01 Friday
  • 11:10

1)ちー先生、ごめんなさい! 遅くなってしまって。

ーーー

気になることがありまして、お聞きします。
皆さんの保育園では、スタイをしている子の午睡時は、スタイは外しますか?それともそのまま着けていますか?私は、今までの保育園や子育てのときも必ず外していたのですが。今の保育園ではそのまま着けて寝ています。

 

(お答えです)

はずしてください。

あ)眠っているのですから、スタイは姿勢としても必要がありませんよね…。

い)子どもの首まわりにヒモ状のものがある、子どもの顔まわりに布状のものがあるのは危険ですし、眠っている時は特に、です!

 

 

2)Fスマイル先生、マスクについてですが…。このように考えて、お伝えになってはいかがでしょうか。世界的にははっきりしていることです。

 

あ)自分の感染リスクを下げるというマスクの効果では定かではない。保育園でおとなが自分の感染リスクを下げるのであれば、マスク以上に「手を洗わない状態で、目、鼻、口にさわらない」が重要。ウイルスが手について、その手で粘膜に触れ、感染することが多々あるので。

い)でも、いまや誰が感染しているのかわからない以上、他人に感染させないという点では重要。ウイルスは呼気に含まれ、くしゃみでも咳でも飛ぶ。その飛沫があちこちに付着し、そこから接触するので。

う)上の「い」を考えれば、保育者がマスクをするのは大事。でも、だからといって今、マスクが売られておらず、あってもむちゃくちゃ高いということを考えれば、「しない」という選択もありえる。

え)手作りマスクじゃなくても、三角に折ったバンダナでもなんでもいいんです。英語では「顔を覆うもの face covering」と言っています。鼻と口を覆うことで、飛沫が飛ぶことを抑えられればいいので。ただ、はずしたら取り換えるとか、はずした手であちこちさわらないとか、それはマスクと同じです。

 

いかがでしょう?

 

 

3)横浜のKK先生、むっちゃ腹立ってます! 認可外も認可と同じように預かれ、でも、補助金の保障はしない? いいかげんにしろっ!!です。連休中の配信でまた叫びます!

 

掛札

登園する子どもは減っても…

  • 2020.04.23 Thursday
  • 12:04

タラコ先生からのコメントです。

 

 緊急事態宣言が出る直前、(正確には午前中)市から急に園の自粛要請についての連絡がありました。やっと来た!と少しほっとしました。翌日は週末の金曜でしたが約3分の1の子どもが自粛により休む事態となりました。ですが私たちが休める予定は全くなく、(陽性者も濃厚接触者もいないので年休を使うことになります)土曜日に予定していた行事がなくなり子どもが一人も来なかった日には全員出勤して掃除する始末です。ほんとうにがっかりしてます。

 

ーーー

 

 タラコ先生、考え方はいくつかあります。どれが正解というわけでもなく、混ぜていく必要があります。

 

1)Facebookページで19日に配信した中で触れていると思いますが、ある意味、出勤しているほうが気が楽という部分はあります。「家にいると不安」という職員の方はいますから。

 

2)でも、家に家族(特に、休校中の子どもやデイ・サービスに行けない高齢者の方)がいる時には、家にいたいと思います。その場合、子どもがいないのに全員出勤で、休む人は有給休暇を使う必要があるのか。これは疑問です。園長にはっきり言って、それで「有給休暇をとれ」と言われたら、「え、でも、別の園では自宅待機/在宅勤務ということになっていますけど」と言ってみましょう(←よくわかっている人に確認済)。

 

3)「自宅待機しててもいいけど、給料を減らす」と言われたら、Facebookページの4月22日午前9時26分投稿の記事の中、『東洋経済』の記事に関連して書いている通りです。先生の園が認可保育園なら、給料分の委託費は100%支払われていますから給料減はダメ!です。でも、そこらへんの裁量はすべて、園長です。ですから、「この園長、ダメだわ」と思ったら、今回、まともな対応をしている園に移りましょう(本気です)。新型コロナウイルス感染症問題はまだまだ続きますから。

 

 あ、そうか。園長先生はおそらく、この問題が連休明けには終わると思っていらっしゃるのだと思います。終わりません。そうなれば状況は変わります。変わらなかったら(=これからもずっと全員出勤とか言うなら)、それはもう…です。今の状況は、園のリーダーシップの質がものすごく問われていると同時に、その質が丸裸になっている状況とも言えます。見きわめましょう! この件は別の所でもけっこう大きな問題になりつつあるので、4月26日、Facebookページで配信します。

 

新型コロナウイルス対応4つ

  • 2020.04.10 Friday
  • 23:03

 なんかね〜、です。ほんと、このコロナ禍が終わったら、社会は一変していると思います。いや、日本の社会は変わらなくても、保育界は変わっているでしょうね…。

 あ、保育園Ns先生、hiyoko先生が「アルコール濃度」の件を書いてくださっています(文中)。そういうことかしら?

 

ーーー

 

〔N先生から(一部のみ抜粋です)〕

 しんどいです。
 でも泣けません。
 泣けたら楽なのになぁ。  

 N先生、無理して泣かなくてもいいんです。「しんどいから泣く」じゃなくていいんです。大好きな映画を観る、大好きな本や絵本を「ここが好き!」っていう場所で一人で読む/見る、あるいは、大好きな歌を大きな声で歌う(カラオケボックスでも、園にホールがあるなら超早く行って誰もいない間にとか、それこそシャワー中でも)とか。スポーツがお好きならそれを20分でも30分でもする。なんでもいいんですよ〜。つまり、「自分の心から離れて、別の所にいる時間をつくってみる」です。一人で。他の人がいると、その人のことを気遣ってしまうから。

 

ーーー

 

〔hiyoko先生から〕

 保育園Ns先生のご質問の件ですが、アルコール濃度ではなく「医薬品」または「医薬部外品」でなければ「消毒」と明記できないと思っていましたが、いかがでしょうか。
 

 コロナ対応について園長との温度差に限界がきていました。こんな時期ですが、3日に退職覚悟で園長に噛みつきました。緊急事態宣言が発出されることを受けて、やっと一昨日、濃厚接触は避けられないというお手紙を出しました。やっと昨日、登園自粛をとお伝えしました。やっと今日、職員体制の変更と登園時の対応変更をお知らせしました。
 保育所の感染リスクや対応がこうなるかもしれないというお手紙を、2月末から出したほうがいいとずーっと言っていましたが、却下されていた挙句、この3日間で全部やりました。

 hiyoko先生、すばらしい! もうね、「誰かが指示してくれるだろう」「誰かが守ってくれるだろう」という護送船団方式は破綻するんです。園は自分たちで守るしかない。最悪を想定しておいて、最悪にならなかったら、「よかったですね、最悪にならなくて。皆さんのおかげで最悪を免れました」と言えばよいのですから。これは台風対応でも同じ。最悪にならないだろうから何もしない、それで最悪になったら目も当てられないですよね。

 

ーーー

 

〔S先生から〕

 明日の幼稚園部の入園式は規模を縮小して行うことを決め、それ以降は1号認定の子どもたちは自由登園にする予定にしていました。しかしながら、緊急事態宣言が出されるなど、状況が変わる中、感染者の少ない当市で、休園する勇気もなく、どうしたものか悩んでいます。
 3月に自由登園にした際は、ほとんどが登園して来て、人数が減りませんでした。2号、3号の登園を断れない中、1号を完全に休園にするべきでしょうか。登園する園児数をクラスごとなどに絞って、給食なしで、午前の部、午後の部で行うことを考えています。
1号を完全に休園して家庭で過ごすと、親子ともにストレスになり、いいことではないと思うので、人数を絞って保育、にしようと思います。

 1号の子どもたちに関しては、休園にしている園が私のまわりには多いです。幼稚園さんは休園ですし。

 結局、園として何を守りたいか、だと思います。命なのか、保護者の仕事なのか。すでにセンターのFacebookページでもお話しした通り、確かに家に保護者と子どもでずっといるのは、ストレスが増えるでしょうし、虐待やネグレクトにもつながるかもしれません。でも、「だから、園が預からなければ」なのでしょうか。いずれにしても、当分、私たちはこの状況とつきあわなければならないのですから、虐待やネグレクトは園ではなく、自治体が(本来すべきだったように)扱うべきで、「そうしてください」と今から言っていくべきだと思うのですが…。抱え込みをやめるべき時なのです。

 

ーーー

 

〔H先生から〕

 4月、運営の本部から緊急調査という名目で指示がきました。「ロックダウンになっても、出勤できる職員は?」と。保育所はロツクダウンでも、出勤する必要がある職種(自宅待機の仕事の保護者能ため)との説明付きでした。今までなんとか出来る限りの出勤をして子どもたちの保育にあたりましたが。とてつもなくブルーな気分になっております。保育園従事者は、最後の被害者になる可能性、その覚悟を持たないといけないのかなと、残念です。先生どう思われますか。

 「出勤する必要がある職種」じゃないですよ。特措法では、学校とかと並んで、「使用の制限等の妖精の対象となる施設」です。それは、本部さんの読み違いか思い込みでしょう(ま、そう言ってくるのは、わかりますが。要するに、施設都合で休園ということにしたくないだけなのでしょう)。

 Facebookページでお伝えしている通り、先生がおっしゃっている通り、保育従事者は最後の被害者扱いだし、保育園にいる子どもは、児童・生徒と違って命を守られるべき存在とはみなされていないようです。保護者が仕事を続けるほうが大事ということが、今回、はっきり露呈したと思います。

 だからこそ、「保育園は濃厚接触ですよ。おいでになるなら、それをわかって来てくださいね」と、覚悟と責任を保護者に半分、手渡すべきです。本来は保護者が勤務先(役場であれ企業であれ)とすべき話を、保育園が肩代わりさせられているのです…。

 私もずっと、ブルーです…。この社会はこれほどまでに、未就学児と保育園、保育園で働く人に冷たかったんだと。

アルコール液について。マスクについて

  • 2020.04.01 Wednesday
  • 17:28

Facebookページでもぼちぼち配信中ですが、こちらの質問にもお答えを。

 

まず、保育園Ns先生からのお尋ねです。

ーーー

 消毒用エタノールが手に入らないため、食品添加物?に分類されている、調理用のアルコール除菌製剤を使っています。アルコール濃度は50~70%で2種類、濃い方は環境消毒と調理器具に使用、濃度が低い方はアルコール手洗い用です。これまでアルコール濃度からしても問題ないだろうと思っていましたが、商品に消毒ではなく「除菌」と書かれているので、掛札先生の記事を見て心配になってきています。 

(お答え)

 60%以上、70%以上なら「消毒」のはずなのですが、「除菌」と書いてあるのはおかしいですね…。厚生労働省の基準に合っているなら「消毒」と表示するはずです…。そう思って謎??だったので、リング上の時もはっきりはお答えしなかったのです。何%なのでしょう?

 

もうひとつ、花先生からのお尋ねです。

ーーー

 ライブ配信拝見しました。笑いあり、分かりやすい内容で、とても参考になります。

 コロナ対策(感染対策)で、どうしても気になることがあり、質問させてください。
 WHOはマスクに予防効果がないと言い、症状のある人がマスクをつけることが効果のある予防だと厚生省のリーフレットにものっていました。

 新年度、新入園児(ほとんどが0歳)で、保育士が予防のためとはいえ、長期化しそうなコロナで、ずっとマスク着用するのはどうなのでしょうか? 信頼関係や、安心感、成長発達に大きく影響が出るのではと感じています。飛沫は目からも感染し、ウイルスはマスクの繊維を通すとききました。現在、私が住んでいる地域で流行の拡大はみられていません。まわりの保育園では、職員だけでなく、保護者にもマスク着用を求めているそうで、マスクが購入できない中、同じマスクを使い回して対応しているなど、色々な意見がきかれます。その辺のライブなどもしていただけるなら、ありがたいです。 

(お答え)

 顔の下半分が見えない状態で0歳児に接するのは、確かに…です。

 先日もWHOは、「症状がないならマスクをするな」と言いました。

 (昨日の米国CNNのニュースです)

https://edition.cnn.com/2020/03/30/world/coronavirus-who-masks-recommendation-trnd/index.html 

 無症状の人でもウイルスを出しているという点を考えれば、マスクはするべき…なのかもしれませんが、それはそもそも「飛沫が飛ぶ」状況の話です。さて保育園は…、換気が1時間に1回とかできれば「密閉」ではないし、「密集」でもないし、まあ、抱っことかはあるから「密接」ではありますが、それを言ったら保育はできませんし、そもそも学校を休みにする前に、保育園を閉めて「不要不急の仕事のおとなは家に」というのが正しいじゃないかと(欧米の封鎖はすべてこれです)。

 保育園が密閉・密集はなんとかできても(←なんとかできない園もあります)、「密接」はどうにもならない以上、じゃあ、まったく無症状の職員でもマスクはするべきなのか…。うーん、正直、悩みます。「マスクをしていなかったから、子どもが感染したんだ!」と後で言われるリスクを考えたら、今の状況がおさまるまで最低数か月は、しょうがない、マスクをするという方法もあるでしょう。

 ただし、マスクの再利用はダメです。それなら布製のものにして洗う…。布製のマスクはダメだという説も流れていますが、それは医療用サージカル・マスクと比べてですから。もちろん、もともとウイルスはマスクを通ります。でも、マスクをしていれば飛沫は飛びません。まあ、そういう意味では、もともとマスクをしない欧米で言われているように、咳やくしゃみをする時は腕で隠す(手のひらはダメ。あちこち触るから)でいいのではないかと。

 マスク問題は難しいですが、私個人の考え方としては、保護者も保育者も仕事に行かなければならない状況を国が作ってしまっている以上、園で感染・発症が起きるのは、正直、園の責任ではありません。そう開き直るべきです。ですから、最初の頃から言っている通り、自治体に「マスクはありません」、そして、「布製マスクを作っているヒマなどありません」「マスクをしたって何をしたって、保育園は濃厚接触です」と言い続けてください。濃厚接触の件は、掲示を作りますわ…。

 

いかがでしょ?

「除菌・消臭」について。及び、次亜のミスト化について

  • 2019.12.14 Saturday
  • 21:03

 研修会でいろいろとうかがい、まずは書いておかねば、と。サイトのどこに置くか、まだ決めていないので、こちらに…。


 「除菌」「消臭」をうたった清浄機(次亜塩素酸等を使用)や置き型/吊り下げ型の製品が多数、販売され、未就学児施設でも用いられています。並木由美江先生経由で国立感染症研究所の先生に確認したところ、「消毒剤」とされている化学成分の製品以外は、菌やウイルスに対する効果があるとはみなされていないそうです。「除菌」は、「殺菌」でもなければ「消毒」でもありません。また、インフルエンザやノロはウイルスであって、菌ではありません。「除菌・消臭」と銘打った清浄機の広告には、あたかも対ウイルス効果があるかのように書いてあるものもありますが。
(「除菌」に対するイメージはこちら。静岡県環境衛生科学研究所のリーフレット)

(同研究所はいろいろな商品テスト情報のリーフレットを出しています)

 

 つまり、「これは消毒をするものですか?」と聞いて、「そうです。消毒です」という返事が返ってこなかったら、それは厚生労働省レベルでは効果が保証されていないということになります。

 

1)清浄器や置き型の製品の宣伝には「効果」を示す論文等が示されている場合が多いのですが、こうした研究はほぼ実験室実験であり、実生活中において疾病等のリスクを下げる事実を示す研究ではありません(実生活の中の効果を示すには、多数を対象にした長期実験が必要です)。「効果を信じて」清浄機や置き型の製品を使うこと自体は、問題がないのかもしれません。ですから、掛札も並木先生も「使用してはいけない」とは言っていません。

 

2)けれども実は、公衆衛生学上は問題があります。塩素系その他の化学物質が空気中にミスト(霧)化されたもの、蒸散されたものを、日常的に、かつ長期的に肺へ吸い込み続けることの危険性は、明らかになっていないからです。こうしたミスト化清浄機や蒸散型の置き型製品が普及し始めたのはここ数年ですから、現状、私たちは未就学施設において人体実験をしていると言うことすらできます。

 

 もちろん、たとえば20年後、一部のおとなの中に呼吸系の問題を抱える人たちが出てきた時、「保育園で吸い込んでいた化学物質がいけないのではないか」と因果関係を言うことは困難でしょう(タバコの健康被害の立証に何十年もかかったことを考えてください)。ですから、今、こうした清浄機や置き型製品を使うことで、園やメーカーが将来、なんらかの責任を問われることはないのかもしれません。ですが、もともと公衆衛生出の者として、掛札はこの健康リスクを念頭に置くべきであろうと思います。

 

 同様の清浄機は歯科医院等に設置されているようですが、医院の待合室は、毎日、長時間、過ごす場所ではありません。一方、園は、まだ発達途上にある子どもが毎日、長時間、過ごす場所です。

 

 ちなみに、夏、効果があるとして使われている吊り下げ型の虫忌避剤については、消費者庁が「表示されている効果を裏付ける科学的根拠が示されていない」としています。商品テストでも、標榜されているような効果は期待できない一方、拡散した成分で体調を崩す場合もあるとしています。


3)上に述べた「除菌・清浄」のための清浄機や置き型の製品については、厚生労働省のレベルでは効果があるとは考えられず、一方、長期的健康リスクも不明です。

 

 しかし、これとは別に明確な点があります。ピューラックスやキッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウム)のミスト(霧)化されたものを呼吸器に吸い込むことは、呼吸器に障害をきたす危険性があるため、これらをテーブルや室内、嘔吐物に噴霧するのはやめてください。噴霧は、噴霧した局所にしか効果がなく、一方、そこにある病原体を噴霧によってわざわざ巻き上げてしまうリスクもあるからです(巻き上げるという意味では、アルコールの噴霧も同じです)。

ピューラックスのサイトにも書いてあります)

 


 では、どうするか。厚生労働省のガイドライン(抜粋)に書いてある通り、次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックスやキッチンハイター)に浸したふきんを絞り、それで拭きましょう。そして、ふきんを消毒しましょう。

 

おむつの「防水紙」について

  • 2019.10.29 Tuesday
  • 20:01

ひと言だけ。

おむつ替えに「広告紙を使う」という件で、「広告紙なんて汚い」と感じる先生がいるようです。

並木先生に確認したところ、広告紙を推奨してくださったのは、国立感染症研究所の先生だそうです。

オムツ替えの方法について(マットの消毒?)

  • 2019.10.14 Monday
  • 08:58

 皆さん、台風は大丈夫でしたか? はまゆげ先生、避難、大変でしたね…。ご自宅に戻れましたでしょうか。(下のスレッドのコメント)

 

 さて、時節柄、感染症がひろがるのを防ぐのはとても大事なので、保育園Ns.さんのお尋ねを先に。並木由美江先生がすぐにお返事をくださいました。ありがとうございます。

 並木先生のお答え以外にも、皆さんの工夫をお知らせください! 
 (次は、9月22日にいただいたお尋ねです。)

 

ーーー質問ーーー
 もうすぐ嘔吐下痢の流行の季節ですが、オムツ替えシートの消毒を皆さんの園では、どのように対応しているのかが知りたいです。私のところでは「お尻がシートに直接ついたら、ピューラックス溶液に浸して絞った布で拭く」となっています。これについて、はっきり、「めんどくさい」と言ってくれた先生がいます。
 必要な作業とはいえ、一度に10〜20人のオムツを替えていれば、お尻がつく機会は何回もあります。見ていると、お尻がついた後の対応は先生によってまったく違います。そんな中で「めんどくさい」と勇気を持って声をあげてくださった先生がいることは、改革のチャンスだと感じています。
 コストがかかる方法は上から許可がおりないので、最低限のコストでてきる方法、かつ保育者が「めんどくさい」と感じない方法を模索中です。

 アルコール入りのウエットティッシュで拭いたらダメか?とも聞かれたので、以前使っていた物はアルコール入りといっても濃度が低い(安い)物だし、そもそもアルコールはノロウイルスやアデノウイルスには効かないとお伝えしました。
 他の園の皆さんの対応を知り、流行前に色々試して、より良い方法でやっていきたいと考えています。よろしくお願いいたしますm(_ _)m 

 

ーーー回答ーーー
 並木先生のお答えです。全国保育園保健師看護師連絡会のDVD『保育園における感染症対策』にも入っているそうなのですが、このDVDは現在、品切れ、再度制作準備中だそうです。

 

(以下、並木由美江先生)
 オムツ交換の流れは、★尿の場合★、まずズボンを脱がせたら、汚れたオムツをつけている状態で新しいオムツをお尻の下に敷き込み、汚れたオムツを内側に丸めるようにはずします。お尻は新しいオムツの上に乗ってる状態になりますから、そのままオムツをあててテープで止めれば交換終了。あばれてしまわない限り、シートにお尻を乗せることはないと思います。

 

 でも、学生などに、何も言わないで「オムツ交換してください」と言ったら、ほぼ全員が汚れたオムツをパッと取って、お尻は一度シートに触れます、そして新しいオムツをヨイショと差し入れていました。そうではなくて、最初に新しいのを差し入れておくことで、シートにお尻も触れず、スムーズに清潔に交換できますね。

 

★排便の場合★は、DVD(現在品切れ・制作準備中)でも紹介してるように、新しいオムツを防水紙(※)ではさんでから、排尿時と同じようにしてお尻の下に敷き込みます。汚れたオムツと新しいオムツの間にある防水紙で、汚れたオムツを包みます。排便の場合は、お尻がシートに触れてなくても、使用後は次亜塩素酸ナトリウム希釈液を雑巾などに浸したもので消毒します。

 

 こうすれば、排便の時と、排尿でお尻がついてしまった時だけの消毒ですみますから回数はそれほどではないかと思いますが、いかがでしょう?

 

(※)防水紙とは、ツルツルした光沢紙面の広告紙や、生協等の光沢のある製品案内紙です。予算があればペット用シートなども使えます。私は生協を使っている職員に協力していただいて、ゼロ円ですませてました。なお、新聞紙では防水効果無しなので感染防止にはなりません。

 

…だそうです。並木先生、ありがとうございます。「防水紙ってなに? 高いんですか?」と思わず聞いてしまった掛札に、ちゃんとお答えくださってありがとうございます!

 

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